スラップ奏法は指弾きや、ピック弾きに比べると、まともな音を出すのさえ苦労します。しかし、ピックアップフェンスというパーツを取り付けると、特にはサムピングが格段にし易くなる、と感じる人が多いです。その理由やデメリットも含め、見ていきましょう。
ピックアップフェンス(PUF)

ピックアップフェンスの素材は鉄
上記画像のジャズベースで説明すると、ネック側にあるピックアップを、フロントピックアップと言います。それを覆うように装着してあるのが、ピックアップフェンス(PUF)です。色や形には幾つかの種類がありますが、鉄製で硬いというのは、共通していると思います。
ノイズ軽減の効果もある?
ピックアップフェンス(PUF)は他にも、ピックアップガード(PUG)やピックアップカバー(PUC)とも言われます。そして、それらは本来ノイズ軽減の為に、作られたようです。

ピックアップフェンスの使い方
4弦をサムピングしている瞬間です。その時に親指の付け根から、手首にかけての手の平の一部を、PUFにぶつけてサムピングします。こうする事により、無駄なサムピングの勢いを、ピックアップフェンスが消化してくれ、それと同時にサムピングは出来る、といった具合です。
マーカス・ミラー
PUFスラップを流行らせた人
PUFを装着したスラップを流行らせたのは、マーカス・ミラーという、世界的に有名なベーシストです。私は単に格好が良いから、という理由でPUFを取り付けてみましたが、それでスラップを試すと、急に安定し出した記憶があります。恐らく私と同じような人が、世界中にいるはずです。
PUFにもデメリットがある
しかし、PUFは良い事ばかりではなく、デメリットも挙げられます。PUFのデメリットは人により、数が変わってくると思いますが、ここでは私が感じた、デメリットを3つ挙げます。
- ピックアップに親指を置けない
フロントピックアップの上に親指を置いた、指弾きをメインにしている人は、当然それが出来なくなります。そういった場合は、PUFの上に親指を置いて、指弾きをするので、距離感に少し違和感を覚えます。しかし、これは意外と直ぐに慣れてしまうものです。
- サムダウン&サムアップには邪魔
PUFが活躍するのは主に、通常のサムピングの場合です。通常のサムピングに加え、サムダウン&サムアップも使う人には、邪魔に感じられます。しかし、これも練習次第で何とかなり、更にPUFには細いタイプの物もあるので、大きなデメリットにはなりません。
- PUFの無いエレキベース
PUFが装着されたベースでの、スラップに慣れてしまうと、PUFの無いベースになった時に、普段のようなスラップが出来なくなります。比率でいうとPUFの無いベースの方が、圧倒的に多いので、知人のベースを借りて弾く時などは、悔しい思いをしてしまいます。
PUFを試す価値は十分にある
私は最後のデメリットが理由で、プロ活動を始めた頃に、PUFを外してしまいました。それから一ヵ月程は心許なかったですが、スラップの感覚が全く無くなる、という事はなかったので、結果的にはPUFを取り付けて正解だと、今になっても思えます。
お勧めピックアップフェンス
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【国内正規品】ATELIER Z アトリエZ ベース用ピックアップフェンス ZPF-3500 Gold
- 価格:
- 6,049円(価格は変動します)
- 内容:
- ジャズベースタイプ向きPUF
見た目 4.5 機能性 4.5 コスパ 3.5 見た目も機能性も抜群のPUF
先ず見栄えの良さが感じられ、どのようなベースに取り付けても、豪華さが増すでしょう。形状は細くてスリムなので、サムダウン&サムアップをする場合も、ほとんど邪魔になりません。唯一の問題は値段ですが、他のブランド製PUFと比べて見ても、さほど高いPUFではないと思います。
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Yibuy 47x128mm クロム メタル ステンレススチール ジャズベースピックアップカバー
- 価格:
- 750円(価格は変動します)
- 内容:
- ジャズベースタイプ向きPUF
見た目 1.5 機能性 3.5 コスパ 4.0 見た目以外は純製品と同じPUF
実物の見た目には少し安っぽさが感じられ、高価なベースに取り付けると、色褪せてしまいます。しかし、それさえ我慢できるのであれば、フェンダー純製品のPUFと比べても、変わらないと思います。値段も手頃なので、PUFをお試し感覚で使用してみたい、という人には最適でしょう。
PUFは自分でも取り付け可能
PUFは両端にネジ穴が開いているので、そこに付属のネジを差し込み、ドリルで回して取り付けます。工賃が1000円ほど必要ですが、楽器店に頼む事も出来ます。

- PUFはサムピングの勢いを消してくれる。
- PUFスラップを流行らせたのはマーカス・ミラー。
- PUFはデメリットもあるが、スラップに悩む人は付けてみるべき。