コードとは複数の音が集まり、重なりあって鳴るものです。しかし、エレキベースの場合は一音ずつ、弾いていくのが基本です。コードにも種類が幾つかありますが、先ず始めにメジャーコードというものを見ていきましょう。
メジャーコードの中身

メジャーコードは三和音
譜面の1・3・4・9小節目にもあるような、アルファベットの大文字だけで表されるコードを、メジャーコードと言います。ベースはコードのルート(根音)では、コードのルートについて説明しましたが、これらメジャーコードは、ルートだけを表している分けではありません。メジャーコードはルート以外に、後2つの音を使う三和音構成です。
長3度と完全5度
ルート以外の後2つの音ですが、それらは長3度(ちょうさんど)と、完全5度(かんぜんごど)という音です。音楽理論的な呼び方で難しそうですが、これらはベースの指板を使い、簡単に考えられます。長3度はルートからフレット4つ分、完全5度はルートからフレット7つ分離れた位置にあります。それはどういうことかを、コード「C」「F」「G」「E」を例に挙げ考えてみます。

メジャーコードの共通
上記の指板図にはそれぞれ、ルートをという記号、長3度を
という記号、完全5度を
という記号で表しています。先述したように、どれもが
は
からフレット4つ分、
は
からフレット7つ分に位置しており、これは他のメジャーコードにも共通していることです。ただ、これでは運指がし辛いので、
と
を異弦同音(いげんどうおん)で移動させてやります。

異弦同音で直したメジャーコード
異弦同音で直したのが、上記のメジャーコードのポジションで、こうしてやると運指もし易くなります。また、ポジションの見た目も、同じような形を作っているのが分かります。このポジションがメジャーコードの、基本ポジションだと覚えても良いでしょう。これら4つのメジャーコードのポジションで、簡単な運指の練習をしてみましょう。

メジャーコードの運指
メジャーコードでよく見られるのが、を中指、
を人差し指、
を小指という運指です。しかし、2小節目のコード「F」のように、開放弦の0フレットが入ってくると、メジャーコードの運指も変わってきます。
メジャーコードの範囲を広げる
これまではルート・長3度・完全5度を、一ヶ所だけに絞って、メジャーコードを説明しました。それでもメジャーコードとして成立しますが、少しフレットの範囲を広げて考えてみましょう。そうすると、ベースラインの幅も広がってくると思います。

オクターブ上のルート
左の指板図は説明してきた、コード「C」のポジションで、3弦3フレットにがあります。右の指板図は、その
が1弦5フレットにもありますが、この両方はオクターブの関係にあります。なので、1弦5フレットの
も使える分けです。オクターブについては、オクターブポジションでオクターブ奏法を参考にしてください。

オクターブ下の長3度と完全5度
左の指板図は4弦0フレットにもがあり、これは2弦2フレットの
の、オクターブ下のフレットです。右の指板図は4弦3フレット
があり、これは2弦5フレットの
の、オクターブ下のフレットです。これでコード「C」で使えるフレットが、2倍に増えた分けです。

異弦同音の長3度と完全5度
左の指板図は3弦7フレットにが増えましたが、これは2弦2フレットの
と異弦同音のフレットです。右の指板図は1弦0フレットに
が増えましたが、これは2弦5フレットの
の異弦同音のフレットです。7フレットまでですが、これでコード「C」で使えるフレットが、全て記されました。このポジションで運指を練習してみましょう。

ベースラインの選択肢を増やす
1小節目のは2弦5フレットを使うより、異弦同音の1弦0フレットを使った方が、2小節目の1弦5フレットを、運指し易いかと思います。3小節目はスライドの指示があるので、2弦2フレットより3弦7フレットの
を使います。このようにして、メジャーコードの範囲を広げられると、コードが1つだけでも、ベースラインの選択肢も増えてきます。

1弦1フレットのオクターブ下
左の指板図はコード「E」のワンポジションで、そこからオクターブ下の音を表したのが、右の指板図です。1弦1フレットのオクターブ下ですが、これまで通りなら3弦に作れるのですが、フレットが足りないので、3弦には作れません。1弦1フレットのオクターブ下は、4弦4フレットのになり、これは4弦0フレットの
から、フレット4つ分に当たるのが分かります。

バレーコードの運指
2小節目の2弦2フレットのは、中指で運指しても良いですが、譜面の通り人差し指のバレーコードを使うと、その後の3弦2フレットの
と、4弦4フレットの
が、運指し易くなると思います。バレーコードについては、セーハ・バレーコードというフィンガリングを、参考にしてください。