これから初めてのエレキベースを買う人や、2本目以降のエレキベースを買う人もいるでしょう。プレシジョンベースかジャズベースか、アクティブベースはどんなものだろうか、弦高に関してや、4弦ベースと5弦ベースの違いなどを、私なりの考えでまとめてみました。
エレキベースを買う前に
入門セットと高価なベース
ベースをまだ所有していない人も、このサイトを見てくれているかと思います。1本目は入門用の安いベースでよいのか、それとも高価なベースを買った方がいいのか、色々と迷われている事でしょう。両方について、色々と考えてみましょう。
- リスクも考えておく
それなりのベースとアンプを揃えれば、10万円近くかかってしまいます。予算的に厳しい人は、ベースの入門セットをお勧めします。これなら3万円程度で済みますし、続けられなかった時のリスクも少ないです。本当は予算に余裕のある人も、入門セットで十分かと思うくらいです。
- 初心者には分かり辛い
入門用より高価なベースの方が、ものは良いに決まっています。しかし、初心者が両方を弾いても、ほとんど違いは分からないでしょう。入門用ベースで暫く弾き続け、音楽も続けられそうなら、高価なベースを買うというのも、良い選択かと思います。
- 楽器店で試奏させてもらう
試奏(しそう)というのは、気になる楽器を店内で、弾かせてもらうサービスです。購入しなくても全く問題ないので、全くベースに触った事のない人は、先ずは楽器店の試奏で、ベースを弾いてみるのも良いでしょう。これだけでも、ベースがどんな楽器なのか、少しは分かるかもしれません。
ベース初心者入門セット
ベース初心者入門セットのページでは、他にも私の考えを述べているので、参考にしてください。
プレベとジャズベ
プレベかジャズベで迷う
プレシジョンベースはプレベ、ジャズベースはジャズベと略されます。これら2本は多くの音楽ジャンルに使われる、使い勝手の良いベースと言えます。プレベかジャズベを選んでおけば無難と言え、実際に両者で迷う人も多いです。よく言われる違いを挙げてみます。
- プレベは音が太く男らしい
プレベは低音がドッシリとしていて、太く厚い音が特徴的です。弾き心地で最も感じられるのは、ネックの太さにあります。なので、手が小さ過ぎると、扱い辛いかもしれません。音色と感触に、男らしさを感じるのがプレベでしょう。
- ジャズベは音が細く女らしい
プレベのようにパワフルではありませんが、ジャズベは細く良く通る音が特徴的でしょう。ネックが細いのも特徴に挙げられ、手が小さい人にも扱い易いとされます。プレベとは逆で、音色と感触に女らしさを感じるのが、ジャズベだと思います。
フェンダー社の商品名
プレシジョンベースとジャズベースは、フェンダー社の商品名です。なので、他社のプレベやジャズベは、プレベタイプやジャズベタイプ等と、表現されている事が多いです。
アクティヴとパッシヴ
音作りの幅が違う
ベース本体にはコントロールノブが付いており、それにより音色に変化をつけられます。そして、アクティブタイプのベースだと、コントロールノブの数も多くなり、より幅広い音作りが可能となります。逆に、パッシヴタイプのベースは、音作りに余裕はありません。両者について考えてみましょう。
電池ボックスで見分ける
アクティヴタイプは電池によって動くので、ベースのボディに電池ボックスがあれば、アクティヴタイプです。逆に、電池ボックスがなければパッシヴタイプです。
アクティヴタイプのメリットとデメリット
アクティヴのメリット | パワフルでノイズにも強く、エフェクターとの相性も良い。 |
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アクティヴのデメリット | 電池の減少により音が弱くなる。ベース自体の値段が高い。 |
アクティヴにも良し悪し
音作りに加え、アクティヴタイプは電池を使っている分だけ音がパワフルです。ノイズも少なめで、エフェクターとの相性も良いとされます。デメリットも考えられ、電池の減少により音が萎んでくるので、常に電池のストックが必要です。ベース自体の値段が高いのも、デメリットと言えるでしょう。
シールドの無駄な差し込み注意
アクティヴタイプは電源のオンオフ関係なしに、ベースにシールドを差し込んでいるだけでも、電池は減っていくので、無駄なシールドの差し込みに注意しましょう。
パッシヴタイプのメリットとデメリット
パッシヴのメリット | ベースの純粋な音が出せる。音の強弱がつけ易い。 |
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パッシヴのデメリット | 音負けする事もある。ノイズが多め。 |
パッシヴは純粋で繊細
電池が要らないのはもちろん、パッシヴタイプはベースの純粋な音が出せる、という事が言われます。音の強弱をつけ易く、繊細さを持つのも特徴でしょう。パワーはアクティヴに劣るので、音楽のジャンルによっては、バンド内の他楽器に、音負けしてしまう事もあります。また、ノイズも多めです。
パッシヴはベテラン好み?
私もそうでしたが、若いうちはアクティヴタイプのベース、ベテランになればパッシヴタイプのベースと、両方の好みは年齢によって、移り変わるベーシストが多い気もします。
プリアンプでアクティヴに
パッシヴタイプのベースにプリアンプという装置を組み込み、アクティヴにする事も可能です。これはモディファイ(改造)と呼ばれますが、モディファイに抵抗がある場合は、エフェクターのようにシールドで繋ぐ、外付けのアウトボードプリアンプにする、という方法もあります。
プリアンプも色々
プリアンプの種類も色々とあり、やはりそれぞれ音が違ってきます。ベースで有名なのはサンズアンプというプリアンプで、ゴリゴリと力強く野蛮な音が特徴的です。
弦高(げんこう)

弦高でも左右される
ベースが弾き易くなるか否かの一つに、弦高の高さが挙げられます。弦高とはフレットと弦の間の高さの事で、この高さが僅かに違うだけで、弾き易さと音にも影響してきます。弦高は低めが弾き易いとされますが、これにも良し悪しがあります。
ロウアクションの良し悪し
弦高を低めの設定にする事をロウアクションと言います。弦高は12フレット目で測るのが通常で、基準はありませんが、ロウアクションで有名なインナーウッド社では、1ミリ辺りをロウアクションとされるようです。ロウアクションのメリットと、デメリットを考えてみましょう。
- ロウアクションの良い所
弦をフレットに押さえ込む事を、押弦(おうげん)と言います。当然、ロウアクションだと押弦も楽になり、押さえるというより弦に触れるだけ、という感覚さえあります。長時間や連日の演奏でも、ロウアクションの有難さが分かるはずです。
- ロウアクションの悪い所
弦高が低すぎると、弾いた弦がフレットにカチカチと当たり、所謂ビビるという現象が起こります。バラードのような曲でビビらせてしまうと、雰囲気は台無しです。また、ロウアクションはアタック感が小さくなりがちで、ビシッと決めたい音でも、イマイチと感じられます。
弦高もベーシストの好み
弦高もベーシストの好みで、音楽スタイルにより違ってきます。速弾きやスラップはロウアクション向きですし、一音ずつをハッキリ聞かせたいなら、弦高は普通か高めで良いかと思います。
5弦ベース
4弦と5弦の比較
日本で初めての5弦ベースは、ヤマハ社が1984年に発表したものです。当初は演奏の性能や、アンプの音割れ等の問題が、少なからずあったようですが、2024年現在では解決しており、5弦ベースをメインにするベーシストも、珍しくありません。4弦ベースと5弦ベースを、比較して考えてみましょう。
- 弾き易さ
5弦ベースに慣れた人でも、弾き易さは4弦ベースに分があるでしょう。5弦ベースはネック幅が広がるので、ミュートを始めとする、フィンガリングが大変です。重量は言わずもがな、5弦ベースです。
- 音の鳴り響き
より音が通るのは、4弦ベースだと感じています。バンドでも4弦ベースの方が、埋もれない音が出る、という印象を受けます。5弦ベースは少し曇った音、という感じでしょうか。
- 費用とメンテナンス
やはり値段は5弦ベースの方が高いです。メンテナンスも5弦ベースの方が大変で、修理に出した時なども、4弦ベースより割高です。弦の代金もやはり、5弦ベースが高いです。
5弦Low-Bは便利
これだと5弦ベースはデメリットばかり、と思ってしまいますが、決してそんな事はありません。5弦Low-Bと言われる、4弦より更に低い音が出せると、かなり便利に感じます。半音下げチューニング等にも、そのまま対応できるなど、メリットは多々あり、バンドでも重宝されるでしょう。
5弦Hi-Cもある
4弦ベースより高い音が出せる、5弦Hi-Cという5弦ベースもあります。これはバンド演奏よりも、ベースを一人で弾いて楽しむ、ソロベーシストが好んで使っています。5弦Low-Bは店頭でも多く見られますが、5弦Hi-Cはあまり見られないので、オーダーメイドする人も多いです。
いきなり5弦ベース!?
4弦ベースから弾き始め、慣れてきたら5弦ベースに持ち替える、というのが通常です。しかし、最初から5弦ベースで始めてみても、特に問題はないと思います。私の生徒さんにも、そういう方々が10人ほど居られましたが、皆さん普通に弾きこなし、ライブ等にも出演されていました。

- プレベタイプとジャズベタイプで迷う人が多い。
- エレキベースに電池が入ればアクティヴタイプ。
- ロウアクションは弦高の低いセッティング。