ベースアンプには色んなツマミがありますが、それらの基本的なことを知り、音の作り方を考えていきましょう。アンプのツマミのことを「EQ(イコライザー)」と言いますが、それには種類があり、設定などが違ってきます。自宅練習用で使うベースアンプと、練習スタジオで使う大きなベースアンプの、基本的な違いについても知っておきましょう。

ベースアンプはフラットから音作り

家の練習用として使うベースアンプは、10ワットから30ワットのものが多く、EQと言われるツマミを回し、音を調節していきます。先ずは家庭用ベースアンプで、よく見られる音の種類と、ベースアンプをフラットに合わす、ということを覚えていきましょう。

ベースアンプのツマミがフラットの状態

フラットからの音作り

音の作り方は自由ですが、画像のように0から10のメモリがあれば、全てのツマミを真ん中の5に合わせ、音作りをしていくのが基本で、この状態をフラットと言います。ツマミがフラットになっている時が、そのベースアンプの基準的な音、と言えるかと思います。なのでベースアンプの音作りはフラットからというのを基本に考えましょう。

ブーストとカット

ベースアンプに限ったことではないですが、アンプで音を作る時によく耳にする言葉が、ブーストとカットです。何も難しいことではなく、ツマミを上げて音を足すことをブーストと言い、反対にツマミを下げて音を引くことをカットと言います。この後にも説明していますが、ブーストとカットを上手く使い分けられるかで、ベースアンプの音作りは左右されると思います。それでは、これら4つの音を簡単に見ていきましょう。

BASS(ベース)= 低音域

エレキベースでは主役みたいな音で、太さや分厚さの低音を作り、バンド全体を支えます。しかし、だからと言って低音を上げ過ぎてしまうと、モワモワして聴き取りづらい音になるので注意が必要です。

MIDDLE(ミドル)= 中音域

よく言われるのが、ミドルでは抜けの良い音を作るということで、芯のある音が欲しい場合には、ミドルが重要になってきます。これも上げ過ぎると、ぼやけてモコモコした感じになるので、気をつけましょう。

TREBLE(トレブル)= 高音域

トレブルでは元気が良い、張りのある音を作ります。やはり上げ過ぎてしまうと、耳障りな音になってしまいます。弦がフレットに当たるビビリの時にも、邪魔な音になってしまうかもしれません。

PRESENCE(プレゼンス)= 超高音域

プレゼンスはトレブルより更に高い音域のことで、上げると細くキンキンした音が作れると思います。特にスラップ奏法の時に、その音域を感じ取れるかと思います。上げ過ぎはノイズの原因になります。

ドンシャリと抜けの良い音の作り方

ベースアンプで作る音にドンシャリと言われるサウンドと、それとは逆に当たるような抜けの良い音があります。その2種類を例に挙げて、ブーストとカットのことも考えながら、ベースアンプで音を作ってみましょう。

ドンシャリ系サウンドのベースアンプ設定

ドンシャリはミドルを低め

ベースとトレブルをブーストして、ミドルをカットすると、低音がドンドン響いて、高音のシャリシャリが目立ちます。これはドンシャリ系サウンドなどと呼ばれ、特にスラップ奏法に向いている音作りでしょう。低音が利いているので、指やピックで弾いても気持ちが良いです。しかし、個人練習の時はよいとして、バンド全体で弾いた時に、音が埋もれてしまう傾向が強いです。ベース音がブンブン鳴っているのは分かるけど、どういう音が具体的に鳴っているか分からない、と僕も言われたことがあります。

抜けが良いサウンドのベースアンプ設定

抜けの良い音はベースを低め

ミドルとトレブルをブーストして、ベースをカットすると、張りのある抜けの良い音が作れます。ベースをカットしているので、音圧は感じられず音も細いですが、バンド全体でも聴き取りやすい音を期待できます。少し調節する時もありますが、ツーフィンガー・ピック・スラップの全てを、僕はこの設定で弾いています。しかし、この設定はノイズの大きさが、デメリットかと思われます。

フラットからBASSをカットした音作り

ブーストよりカットで音作り

これはフラットからベースだけをカットした状態で、これでもミドルとトレブルが高めで、ベースが低めの設定が出来上がります。ブーストで音作りをするより、カットを中心に音作りしていく方法もよくあり、それで欲しい音が足りなかったら、少しずつ足していってやりましょう。ブースト中心の音作りは、あれもこれも音を足してしまい、結局は音量だけが上がってしまうというパターンも見られます。要らない音を削っていくカットを上手に使った、ベースアンプの音作りも覚えておきましょう。

グラフィックイコライザー(グライコ)

高価なベースアンプになると、ベース・ミドル・トレブルを回すツマミに加え、上下に動かすツマミも備えてあり、これをグラフィックイコライザー(グライコ)と言います。グラフィックイコライザーについて、見ていきましょう。

グライコの周波数

グラフィックイコライザーは、主にHz(ヘルツ)や、KHz(キロヘルツ)の周波数の単位で、低音域・中音域・高音域を設定します。ツマミの数はベースアンプによって数も違ってき、多ければ細かな設定が出来ますが、その分だけ音作りも迷うことでしょう。周波数による音域は次の通りです。

  • BASS(低音域)50Hzくらいから120Hzくらいまで
  • MIDDLE(中音域)400Hzくらいから400Hzくらいまで
  • TREBLE(高音域)4.5KHzくらいから10KHzくらいまで
グライコで作ったフラットとドンシャリのベースアンプ設定

グライコは左側から低音域

周波数の考えがややこしければ、グラフィックイコライザーは左側が低音域で、右側に行くにつれて高音域の調節が出来る、と覚えておけばOKです。上記の画像なら、左のグライコはツマミが全て0なのでフラット、右のグライコは低音と高音をブーストさせ、中音をカットしているので、ドンシャリ系と言えるでしょう。

グライコで作ったカマボコ系サウンドのベースアンプ設定

カマボコ系サウンド

今度のグラフィックイコライザーのツマミは、全部で7つあります。低音域から少しずつ上がり、中音域の500Hzを頂点として、そこから高音域にかけて少しずつ下がっている、というベースアンプの設定です。ツマミの見た目がカマボコみたいなので、これをカマボコ系サウンドなどと言います。中音域を中心とした音作りなので、モコモコっとした音が作られるでしょうか。主にはピック弾きベーシストに、好まれる設定のようです。

グライコのメリットとデメリット

グライコは低音から高音と並んでいて、どういう設定になっているのかが、一目で分かるので使い易いでしょう。ただ、周波数の幅が決められており、使い続けていくと、物足りなさを感じるようになるかもしれません。ツマミの数が増えるほどノイズも大きくなるので、それもデメリットと言えるでしょう。

パラメトリックイコライザー(パライコ)

グラフィックイコライザーと、双璧のような感じで説明されるのがパラメトリックイコライザー(パライコ)です。パラメトリックイコライザーも周波数を操るのですが、グラフィックイコライザーよりも複雑で、グライコに慣れるには、多くの時間を必要とするでしょう。

パライコの1つ「FREQUENCY」のツマミがあるベースアンプ

パライコは細かな設定が可能

FREQUENCY(フリーケンシー)は周波数を意味しており、これがパライコの1つです。ここでのFREQUENCYは、MIDDLEのツマミに関係していると思ってください。このFREQUENCYで、MIDDLEの音を細かく設定する分けです。パライコもベースアンプによって数が違い、更にはLEVELというツマミも加わり、もっと細かくMIDDLEの音を調節できます。説明が下手で申し訳ないですが、要はグライコより細かな設定が出来る、ということです。

パライコのメリットとデメリット

前述したように、パライコは周波数を細かく動かし、少ないツマミで、グライコより多彩な設定が可能です。また、高音質で音の劣化が少ないとされています。デメリットはというと、見た目で分かりやすいグライコに比べ、パライコは視覚的には音が把握しづらく、調節も難しくて時間がかかることでしょう。

GAINとVOLUME

ベースアンプによってはGAIN(ゲイン)というイコライザーが装備されています。このGAINは音量を調節する、VOLUME(ボリューム)のツマミに大きく関係してきます。GAINとVOLUMEについて、考えてみましょう。

GAINとVOLUMEのツマミがあるベースアンプ

GAINは歪みを作る

GAINはギタリストには馴染み深い「歪(ひず)み」の音を作ることが可能で、言葉で説明するとギュイ~ンというような、ロックっぽい音が出せる分けです。ベースアンプのGAINではエレキギターほど歪みませんが、ガンガンと元気の良い音が出ます。GAINとVOLUMEは密接な関係にあり、GAINを上げると全体の音量も上がってしまうので、VOLUMEのツマミで調節してやることが必要になってきます。

GAINとVOLUMEは好み

GAINはよくドライブ感が出ると表現されますが、そういう音が欲しい人はGAINを上げ、VOLUMEを小さめにするといいでしょう。GAINを大きくカットしてVOLUMEが大きめだと、落ち着いたクリアーなサウンドが作れるかと思います。これもベーシストの好みなので、色々試してみてください。僕はGAINをうるさく鳴らない程度まで上げ、最終的な音量をVOLUMEで決めています。

コンボアンプとスタックアンプ

自宅練習用などのベースアンプはそれほど大きくなく、音を調節するツマミ部分と音の出るスピーカー部分が、一体化しているものが多いでしょう。そういったコンパクト化されたアンプをコンボアンプと言います。コンボアンプは持ち運びなどが楽ですが、出力が小さいので音の大きさに弱点があります。

ヘッドとスピーカーキャビネットの画像

ヘッドとスピーカーキャビネット

練習スタジオやライブハウスへ行くと、ツマミ部分とスピーカー部分が別々になったスタックアンプというのを見られると思います。ツマミ部分をヘッド、音が出る部分をスピーカーキャビネットと言い、コンボアンプに比べると出力が大きいので、迫力のある音が出せます。スタックアンプに比べると、出力では劣ってしまうコンボアンプですが、最近では大きな音を出せるものも多く、それでライブをすることも可能です。ただ限界はあるので、箱(ライブをする場所)の大きさによっては、スタックアンプが必要になってくるでしょう。

ベースアンプは慣れと経験

ベースアンプについて基本的なことを説明してきましたが、使用するベースアンプによって、音は大きく違ってきます。ライブハウスなどにより、ベースアンプのメーカーは違ってくるので、欲しい音を作るのに苦労することが多いです。ライブ前のリハーサルで、理想的な音が作れたら言うことないですが、そう上手くはいかないものなので、ベースアンプの音作りには慣れと経験が必要です。