コードが読めるようになると、ベーシストは根音(ルート)から弾き始める、というのが通常です。しかし、根音を指定するオンコードという表記があり、その場合は注意が必要です。また、ギタリストには馴染み深いパワーコードについても、知っておくと何かと便利でしょう。

オンコード

  • オンコードの指定なし
    オンコードの指定なし4小節
  • オンコードの指定あり
    オンコードの指定あり4小節

オンコードで最低音に変化

❶はコードの根音を弾いており、言わば通常のルート弾きです。❷は2小節目以降に「on C」という表記があり、これは最低音はC音を弾く、という指示です。これがオンコードというもので、ピアニストやギタリストも、オンコードを最低音にしますが、特にはベーシストが、注意しておく必要があります。

分数コード(34小節目)
分数コード(3・4小節目)の4小節

分数コードもオンコード

オンコードは34小節目のようにも書かれ、その見た目から分数コードとも言われます。分数コードは分母の音名で、分子のコードを支えるという意味ですが、分母の音名だけを弾く必要もありません。分子コードの構成音や、時には外れた音が入る事もあります。

基本形~第三転回形
基本形~第三転回形の4小節

転回形とも言う分数コード

根音が最低音の時を基本形と言い、根音がオクターブ上がり、3度が最低音になると、第一転回形と言います。同じように、5度が最低音を第二転回形、7度が最低音を第三転回形と言い、コードの構成音が最低音になる、というのを転回形と言います。

コードの構成音外が最低音の3小節目
構成音外が最低音の3小節目のTAB譜

構成音外も最低音になる

しかし、最低音はコードの構成音のみとは限らず、構成音外の時も多々あります。上記4小節のように、根音が半音や全音で、一音ずつ下がって行くベースライン、というのはよく見られます。ある程度のパターンはあるものの、どの音を最低音にするかは、作曲者の自由と言えます。

ドミナントペダルの4~8小節目(Cメジャーキー)
ドミナントペダルの4~8小節目(Cメジャーキー)の簡略8小節

ペダルポイントとは?

暫く同じ音を続けて弾く、というのをペダルポイントと言います。ペダルポイントは、同一音を中心に弾き続けるので、異様な雰囲気になりますが、後のスッキリ感に繋げる為の、狙いでもあります。上記では5小節目からが、ペダルポイントですが、使う音にもポイントがあります。

Cメジャーキーのダイアトニックコード
Cメジャーキーのダイアトニックコード表

ドミナントペダルとトニックペダル

Cメジャーキーに於ける、5番目のコードはG7です。それの根音を中心に弾けばドミナントペダルで、先程の5小節目からも、ドミナントペダルと言えます。他には1番目のコードの根音を続ける、トニックペダルもよく使われます。

ジャズのドミナントペダル

例えば、ポップスならオンコード表記で、ドミナントペダルを指示する、というのが普通です。しかし、ジャズではベーシストが自分のタイミングで、ドミナントペダルを使う、というのが通常です。

クリシェラインとは?

❸からオンコードを使用したのが❹で、先程も少し触れましたが、ベースラインが一音ずつ、下がっています。こういったフレーズを音楽ではクリシェラインと言い、ギターやピアノでも使われます。また、下行するだけではなく、上行するクリシェラインもあります。

トニック以外の音も弾ける

❺からオンコードを使用したのが❻で、今度はトニックペダルを使っています。トニックの音を連続させても、その雰囲気を出せますが、それ以外の音を含んでも構いません。大まかに言えば、1拍目さえオンコードの音を弾いておけば、良いかとも思います。

パワーコード

パワーコードのComit3
パワーコードのComit3のTAB3小節

omitは除外する

英単語のomit(オーミット)には、除外省略抜く、という意味があります。なので、真ん中のComit3なら3度を除外し、右のComit5は5度を除外してやります。そして、長3度の長3度の略記号を除外した、根音の根音の略記号と完全5度の完全5度の略記号から成る、Comit3をパワーコードと言います。

  • Cメジャーキーのダイアトニックコード
    Cメジャーキーのダイアトニックコード表
  • Cメジャーキーのダイアトニックコードomit3
    Cメジャーキーのダイアトニックコードomit3表

パワーコードは根音と完全5度

❶のCメジャーキーのダイアトニックコードから、omit3にしたのが❷です。気を付けたいのが、Bm(5)だけは減5度を持つコードなので、パワーコードにはなりません。同じく増5度もパワーコードにはならず、根音と完全5度の組合せが、パワーコードになるので、覚えておきましょう。

  • C△7とCm7
    C△7とCm7のTAB小節
  • C△7とCm7のomit3,7
    C△7とCm7のomit3,7のTAB小節

パワーコードの性格

❸はC△7とCm7で、それらをパワーコードにしたのが❹です。押弦するフレットが同じなので楽ですが、パワーコードはメジャーでもマイナーでもない、性格の無いコードとも言えます。逆に3度と7度(特に3度)は、コードの性格を決定づける音、という事が言えます。

根音と完全5度のベースライン
根音と完全5度のベースライン4小節

ボサノバベースライン

種類の違うコードですが、根音と完全5度は共通しています。一音ずつ弾いているので、正確にはパワーコードと言いませんが、パワーコードの仕組みを知っていると、このようなシンプルなベースラインで、対応する事も可能です。実際にもボサノバで、よく見られるベースラインです。

パワーコードのフレーズ
パワーコードのフレーズ4小節

素早いポジション移動

パワーコードの有名なギターフレーズを、ベースで練習してみましょう。押弦は人差し指と薬指(小指)を、素早くポジション移動させてやりますが、動きが多いので難しいです。音源ではピック弾きですが、スラップのダブルストッププル、などで弾いても面白いです。

記事終了
このページのまとめ
  • オンコードは最低音に注意する。
  • ペダルポイントは同じ最低音が続く。
  • 根音と完全5度がパワーコード。