ブルースはロックやジャズなどを始め、ポピュラー音楽においても多方面に影響を与えており、ジャムセッション等でも重宝されています。ブルースのコード進行をメジャーキーのメジャーブルースと、マイナーキーのマイナーブルースに分け、ブルースの基本的なことを見ていきましょう。
メジャーブルースのコード進行
ブルースで使うコード
Cメジャーキーを例に挙げると、①はCメジャーキーのダイアトニックコードです。それの1・4番目をドミナントセブンスコードにした、②がCメジャーキーのブルースコードです。そして、他のコードが入る事もありますが、ブルースで使われる基本のコードは次の3つです。
- 1番目 T(トニックコード)C7
- 4番目 S(サブドミナントコード)F7
- 5番目 D(ドミナントコード)G7
ブルースはスリーコード
ブルースはT・S・Dのコード3つが基本形なので、スリーコードとも言われます。それら3つともがドミナントセブンスコードですが、その機能はT・S・Dの通りだと思ってください。次にメジャーブルースのコード進行を、簡略譜面で見ていきましょう。
12小節でワンコーラス
上記はよくあるメジャーブルースのコード進行の1つです。小節毎に①~⑫の番号が振ってありますが、ブルースは12小節でワンコーラスというのも特徴です。ここでのコーラスは区切りを意味し、ツーコーラスなら24小節で、36小節ならスリーコーラスという具合に表現します。
ドミナントからサブドミナント
次もよく見られるメジャーブルースのコード進行です。ドミナントモーションで解決するでも説明したように、DはTへと進行したがります。しかし、9小節目のDからはSへと進行しています。本来なら可笑しなコード進行ですが、これもブルースのコード進行の個性的な特徴とされています。
メジャーブルースの基本まとめ
- ドミナントセブンスコード
- スリーコード
- 12小節でワンコーラス
- ドミナントからサブドミナントへ進行
コード進行はたくさん
メジャーブルースのコード進行の、最も基本的な二通りだけを見ましたが、特にジャズで扱われるブルースはもっと複雑にコード進行がアレンジされます。
マイナーブルースのコード進行
マイナーブルースのコード
①はAナチュラルマイナーキーのダイアトニックコードで、それの5番目をドミナントセブンスコードにした、②がAマイナーキーのブルースコードです。マイナーブルースも1・4・5番目のT・S・Dが中心になりますが、次のようにメジャーブルースとは異なる部分があります。
ドミナントセブンスコードは1つ
マイナーブルース感を出すため、ドミナントセブンスコードにするのは5番目のE7だけで、1番目はAm7を、4番目はDm7をそのまま使うのが基本です。
スリーコード以外も入る
マイナーブルースになると基本的なコード進行でも、スリーコードのT・S・D以外も入るのがデフォルトでしょう。では、マイナーブルースのコード進行を見てみましょう。
ツーファイブで連結力アップ
マイナーブルースのコード進行で、よく見られる1つです。9小節目のBm7(♭5)がスリーコード以外の、代理和音に当たるコードです。そのBm7(♭5)が入るおかげで、9・10・11小節目はツーファイブという、連結力の強いコード進行が成立しています。
裏コードでアレンジ
こちらもよく見られるマイナーブルースのコード進行です。5小節目のDm7をTに見立てると、4小節目がA7の場合はセカンダリードミナント、E♭7ならA7の裏コードと考えられます。9小節目のF7は10小節目のE7へ、これも裏コードの要領で使われているのかと思います。
マイナーブルースも多い
マイナーブルースのコード進行も、最もよく見る二通りを例に挙げてみましたが、この他にも変わったコード進行が見られます。
- ブルースは特徴あるコード進行。
- ブルースのコード進行はアレンジされる。
- マイナーブルースはスリーコード以外もデフォルト。