ベーシストはコードから根音(ルート)を判断し、その根音からベースラインを弾き始めることが多いです。しかし、コードには根音が別に指定されたオンコードというものがあり、ベーシストは特に注意が必要です。また、ギタリストには馴染み深いパワーコードというのも知っておきましょう。

オンコード

C音がオンコード(Cメジャーキー)
C音がオンコード(Cメジャーキー)の4小節

オンコードは根音の指定

2小節目以降はコードにonCと記されており、TAB譜面を見ても分かるように、全て3弦3フレットのC音を弾いています。これが根音を指定するオンコードというものです。ベーシストはonの後に続く根音を、優先させて弾く事になります。

ペダルポイント

同じベース音が長く続く事をペダルポイントと言います。上記4小節もオンコードが使用されたペダルポイントで、トニックコードの根音が続くのでトニックペダルと言います。しかし、オンコードもペダルポイントも全て同じ音で統一しなければならない、という事はありません。

分数コードの3・4小節目(Cメジャーキー)
分数コードの3・4小節目(Cメジャーキー)の4小節

分数コードもオンコード

3・4小節目は見た目から分数コードとも言われますが、意味はオンコードと全く同じです。3小節目はコードFをG音で支え、4小節目はコードCをG音で支えるという事です。

ドミナントペダル

上記の4小節はドミナントコードの根音である、G音が続くのでドミナントペダルと言います。ドミナントペダルも同じ音だけを使うのではなく、他の音を入れてやっても良いです。

オンコードが構成音内/オンコードが構成音外
オンコードが構成音内と構成音外の2小節

オンコードは作曲者次第

左小節のFonCならコードFの構成音に含まれる、C音がオンコードに指定されています。右小節のEonCならコードEの構成音に含まれない、C音がオンコードに指定されています。ある程度のパターンはあるものの、何の音がオンコードになるかは、作曲者次第という事になります。

パワーコード

C(シー・メジャー)/ Comit3(シー・オウミト・スリー)
C(シー・メジャー)とComit3(シー・オウミト・スリー)の2小節

パワーコード①

左の小節は三和音のCですが、右の小節はComit3とあります。omit3は3度を除外するという意味があり、残りは根音と完全5度の二和音です。この二和音をパワーコードと言います。

Cm(シー・マイナー)/ CmNo3rd(シー・マイナー・ノーサード)
Cm(シー・マイナー)とCmNo3rd(シー・マイナー・ノーサード)の2小節

パワーコード②

左の小節は三和音のCmですが、右の小節はCmNo3rdとあります。No3rdの意味はそのままで、これも残りは根音と完全5度のパワーコードになります。

Comit3(シー・オウミト・スリー)/ CmNo3rd(シー・マイナー・ノーサード)
Comit3(シー・オウミト・スリー)とCmNo3rd(シー・マイナー・ノーサード)の2小節

パワーコードの特徴

元々はメジャーコードとマイナーコードですが、Comit3CmNo3rdなら同じ2音のパワーコードです。この事からも3度の音はコードの色が強く出る音、というのが分かると思います。そして、パワーコードは使い勝手の良いコードですが、色の出ないコードとも言えます。

指示がなくてもパワーコード

実際にはComit3CmNo3rdという、表記を見る事は少ないかと思います。また、ギタリストはCCmでもパワーコードで弾き切ってしまう事があります。

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このページのまとめ
  • オンコードは根音が別に表記されるコード。
  • オンコードは同じ音だけを使わなくても良い。
  • パワーコードは根音と完全5度で作るコード。