「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」は、あらゆる楽器の基本練習として用いられ、エレキベースでも弦の押さえ方である、運指(うんし)押弦(おうげん)の基本練習になります。これを英語音名にすると「C・D・E・F・G・A・B・C」となり、英語圏ではCメジャースケールと言われます。

Cメジャースケールの運指押弦

Cメジャースケール①
Cメジャースケール1の小節

ポジション移動なしの運指

2フレット目を人差し指、3フレット目を中指、4フレット目を薬指、5フレット目を小指で押弦というように、フレット毎に押弦する指を役割分担させています。そうすることによって、手を動かすことのない、ポジション移動なしの運指をとることが出来ます。親指はクラシックスタイルをとり、残り4本の指をいっぱいに広げ、ゆっくりと押弦していきましょう。

Cメジャースケール②
Cメジャースケール2の小節

ポジション移動ありの運指

弾き始めの3弦3フレットは人差し指で、次の3弦5フレットは小指で押弦しており、これなら指の開きに余裕が生まれるはずです。2弦2フレットは人差し指の指示がありますが、その前に矢印があり、これはポジション移動を意味し、手を動かして押弦しにいきます。矢印のポイントでポジション移動すると、指を大きく広げる必要はないでしょう。

Cメジャースケール③
Cメジャースケール3の小節

開放弦で変わる運指

同じくCメジャースケールですが、5フレット目を開放弦に直してあります。開放弦を使うと運指押弦にも変化があり、1小節目なら小指を使わなくて良い分だけ、楽な運指になります。また開放弦を弾いている間に、次に押さえるフレットの準備も出来るので、余裕も生まれてくるはずです。

Cメジャースケール④
Cメジャースケール4の小節

フレット幅の違う運指

やはりCメジャースケールですが、TAB譜面を見ても分かる通り、異弦同音(いげんどうおん)を利用して、4弦8フレットから弾き始めています。ポジション移動ナシとアリの運指を表記していますが、フレット幅が狭い分だけ、手の小さな人でもポジション移動なしの運指で、押弦できるかと思います。

Cメジャースケール⑤
Cメジャースケール5の小節

高音域での運指

最後は3弦15フレットから弾き始める、高音域での運指です。指の開きで困ることはないですが、更にフレット幅が狭くなっており、そのことが逆に運指押弦を難しくしています。ベースは低い音でバンドを支えるというのが主な仕事ですが、ソロを弾く時は高音域も多く使うので、少しずつ慣れておきましょう。

Aマイナースケールの運指押弦

今度もド・レ・ミで弦の押さえ方を見ていきますが、最初の音をラの音にしてみます。そうすると「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」となり、英語音名にすると「A・B・C・D・E・F・G・A」と表せます。これをAマイナースケールと言い、Cメジャースケールとは少し運指も違ってきます。

Aマイナースケール①
Aマイナースケール1の小節

中指で薬指の押弦を補助

5フレット目を人差し指、7フレット目を薬指、8フレット目を小指で押弦し、中指が出て来ませんが、薬指のアイコンの薬指で7フレット目を押さえる時に、6フレット目あたりを中指で押さえてやると、薬指だけで押さえるよりも、少ない力で押弦できます。このように、余った指を押弦の補助にするという運指もあります。

Aマイナースケール②
Aマイナースケール2の小節

小指が連続するポジション移動

矢印のポイントでポジション移動をします。7フレット目を小指で押弦し、8フレット目も続けて小指で押弦する、というのも間違いではありません。しかしながら、小指が連続するポジション移動はミスタッチが多くなるので、なるべく避けた方が良い運指だというのを、音楽学校で習った記憶があります。

  • Aマイナースケール③-①
    Aマイナースケール3-1の小節
  • Aマイナースケール③-②
    Aマイナースケール3-2の小節
  • Aマイナースケール③-③
    Aマイナースケール3-3の小節

運指は複数ある

今度は開放弦を利用したAマイナースケールで、Cメジャースケールでも説明したように、開放弦が入ってくると、全体的な運指も変わります。また、その運指パターンも幾つか考えられ、僕なら上記三通りの運指をとるかと思います。もちろん、これら以外の運指になる人もいるでしょう。

Aマイナースケール④
Aマイナースケール4の小節

高音域は弦高が高い

弦高(げんこう)とは弦とフレットの間の高さのことですが、弦高は高音域になるほど高くなっています。なので、弦をフレットに押さえ込む力が必要になります。短めの演奏ならそうでもないですが、長めの演奏になると、握力のスタミナが切れてくる人も多いです。

記事終了
このページのまとめ
  • ド・レ・ミ(ラ・シ・ド)は運指の練習に最適。
  • ド・レ・ミ(ラ・シ・ド)の運指方法は複数ある。
  • 高音域の運指も少しずつ練習する。