4フレット4フィンガーを基本とするベーシストもいれば、3フレット4フィンガーを基本とするベーシストもいます。3フレット4フィンガーは手の小さい人に向いている運指スタイルで、指を大きく開かない分だけ、ポジション移動を多用し、押弦していくフィンガリングだと言えます。

エレベの3フレット4フィンガー

3フレット4フィンガーは3フレット分の中に4本の指が収まっている、という運指スタイルです。コントラバス(ウッドベース)での基本運指で、使い方や考え方が異なる部分はあるものの、手の大きさに関係なく、エレベでも頻繁に使われている運指スタイルです。

ハーフポジションの4小節
ハーフポジションの4小節

ハーフポジションとは?

ハーフポジションとは、1フレット目に人差し指がある状態のことをハーフポジションと言います。また、0フレットから3フレットまでや、それらのフレットを人差し指・中指・小指で運指押弦することも、ハーフポジションと表現しても良いでしょう。

コントラバスの「half」

ハーフポジションの指示があれば、譜面に「half」などと記されることもありますが、多くはコントラバスを扱うジャズの譜面の場合です。上記の4小節もハーフポジションで、3フレット4フィンガーの運指をしています。先ずは1小節目の4弦のみで、ハーフポジションの運指を詳しく見ていきましょう。

4弦1フレットの押弦
4弦1フレットの押弦画像

親指はネックに立てる

4弦1フレットを人差し指で押弦しており、は弦をフレットに押さえ込んでいる状態です。親指は2フレット目あたりをネックに立てて支える、クラシックスタイルをとってやりましょう。力み過ぎずに、リラックスして押弦してください。

4弦2フレットの押弦
4弦2フレットの押弦画像

押弦の安定感のため

4弦2フレットを中指で押さえていますが、が人差し指にもあるので、1フレット目も押弦状態を持続させてください。中指だけでも押さえられないことはないですが、人差し指でも4弦を押さえていた方が、押弦に安定感が増します。

4弦3フレットの押弦
4弦3フレットの押弦画像

薬指でも押弦する

4弦3フレットを小指で押さえていますが、薬指のも押弦を意味しています。薬指の押弦は音を出すフレットに直接関係はないですが、小指の押弦を助けてやることが出来ます。薬指に限らずですが、余っている指を押弦に回すということも出来ます。

コントラバスとエレベの運指

コントラバスは弦を押さえるのに、大きな力が要るので、薬指も一緒に使わないと押弦が困難です。また、コントラバスのローポジションでは、中指と薬指を添え押弦することで、音程をとるということも言えます。しかし、エレベの場合はコントラバスよりも、押弦の力が必要ないので、薬指を無理して使わなくても良いとも思います。上記の1小節目で言うなら、小指の押弦の時は、薬指を軽く弦に乗せるだけの人もいますし、宙に浮かしたままの人もいます。また、ベースラインが難しくなってくると、1本の弦に対して4本の指を全て使えない場合も多々あるので、それほど薬指に固執する必要もありません。

3フレット4フィンガーの練習

ハーフポジションの運指を基本にして、3フレット4フィンガーの練習してみましょう。実際の演奏ではポジション移動や、薬指を単体で使うケースも出てくるので、そういう運指も練習しておきましょう。

3フレット4フィンガーの練習①
3フレット4フィンガーの練習1の4小節

押弦の補助

1小節目の最初は3弦3フレットの小指ですが、人差し指・中指・薬指でも、同時に3弦を押さえてやると、より楽な押弦が出来るでしょう。同じく1小節目の2弦2フレットは中指ですが、人差し指でも2弦1フレットあたりを、同時に押弦してやると良く、押弦の補助を意識してみてください。

3フレット4フィンガーの練習②
3フレット4フィンガーの練習2の4小節

「half」からポジション移動

3小節目からの「1st」は、人差し指を2フレット目に持って来るという意味なので、そこでポジション移動が必要となります。4小節目の1弦4フレットからは「2nd」とあり、これは人差し指を3フレット目に持って来るという意味なので、やはりポジション移動が必要です。

3フレット4フィンガーの練習③
3フレット4フィンガーの練習3の4小節

薬指と小指の運指

コントラバスは音域の低いフレットで、薬指を単体で使わないのが基本ですが、エレベの場合だと使うケースも多いです。1・2・3小節目でも見られる、異なる弦の同じフレットを弾く場合などがそうで、こういった薬指の運指は早い内に覚えておくと便利です。

小指で押弦しない場合

小指での押弦を極端に嫌う人もおり、同じ譜面でも小指での押弦をしない運指で弾く人もいます。もちろん、弾くことが出来れば良いのですが、ポジション移動の必要が出てくるので、小指を使ったハーフポジションのみで弾く方が、綺麗な運指かと思います。

3フレット4フィンガーの特徴

3フレット分を4本の指で押弦する3フレット4フィンガーだと、手の小さい人でも押弦がし易いですが、その分だけ素早く正確なポジション移動を必要とします。理想としては、フレーズに応じて4フレット4フィンガーと、3フレット4フィンガーを使い分けられるようになる、のが最も良いでしょう。

記事終了
このページのまとめ
  • 3フレット4フィンガーはエレベでもよく使われる運指。
  • ハーフポジションとは1フレット目に人差し指があること。
  • コントラバスとエレベでは少なからず運指が異なる。