連結力の高まるコード進行というものが幾つかあり、ツーファイブもその代表的な1つです。ツーファイブはジャズに限らず、他のポピュラー音楽でも頻繁に使用されるので、ツーファイブを覚えておけばベースラインを作る時にも役に立ちます。ツーファイブの見分け方や作り方を見ていきましょう。
ツーファイブ(メジャーキー)
ドミナントモーション
上記の簡略4小節はCメジャーキーで、2小節目からツーファイブが始まっています。3・4小節目に見られるように、ツーファイブにはドミナントモーションが入ってきます。ドミナントモーションに関しては別カテゴリの、ドミナントモーションで解決するを参照してください。
ツー・ファイブ・ワン
ツーファイブは3つのコードで成立するものなので、正確にはツー・ファイブ・ワンと言います。また、ワンのコードをトニックコードとも言います。
なぜツーファイブと言う?
上記は幾つかのメジャーキーのダイアトニックコード表ですが、ツーファイブはCメジャーキー以外でも使うので、2→5→1の流れを全体的な言い方でツーファイブと言います。
ツーファイブの見分け方
表からも分かる通り2番目のコードが「○m7」で、5番目のコードが「○7」で、最後に1番のトニックコードという流れなら、ほぼツーファイブのコード進行だと思っても良いでしょう。
ブルースのツーファイブ
このカテゴリでも何度が使用したバグス・グルーヴですが、このコード進行では9~11小節目にかけてと、12~1小節目にかけてツーファイブが見られます。バグス・グルーヴはブルースのコード進行が基本になっているので、ワンのトニックコードがF7となっています。
トニックコードは複数
Fメジャーキーを例に挙げるなら、ワンのトニックコードは「F・FM7・F7・F6」など複数あります。
ツーファイブ(マイナーキー)
ツーのコードに変化
上記はCマイナーキーの簡略4小節で、3・4小節目の流れはメジャーキーと同じくドミナントモーションです。ただ、マイナーキーのツーのコードは、5度が完全5度ではなく減5度になります。
マイナーキーの2番目は減5度
上記はCマイナーキー以外の幾つかのダイアトニックコード表で、2番目のコードは全て減5度になっているのが分かり、これはマイナーキー全てに共通する事です。
減9度を使い更に不安定
上記はサマータイムという曲のコード進行で、計4回のツーファイブがあります。11小節目に注目するとE7(♭9)になっており、マイナーキーのファイブのコードには、減9度を使う場合もよくあります。フラットナインスの減9度を使う事によって、E7の響きを更に不安定にさせる効果があります。
ツーファイブ(完全4度進行)
ルートは完全4度進行
①と②はCメジャーキーとCマイナーキーのツーファイブです。両方ともに2小節目から始まるツーファイブの、ルートだけに注目すると「D→G→C」になっており、完全4度進行しているのが分かります。これはメジャーとマイナーのツーファイブの、全てのキーで同じ事が言えます。
完全4度進行とは?
完全4度進行を簡単に説明すると、ごく自然な音の流れの事です。詳しくは完全4度進行と4度圏表を参考にしてください。
4度圏表でツーファイブ
上記は過去にも紹介した4度圏表で、音名は時計回りに完全4度進行をしています。Cをワンに見立てると、DがツーでGがファイブとなります。D♭をワンに見立てると、E♭がツーでA♭がファイブになります。あとは「E♭m7→A♭7→D♭6」などのコードの形にすれば完成です。
ベース指板でツーファイブ
上記はベース指板の音名ですが、これは矢印の方向へ完全4度進行で並んでいます。ベース指板の音名が頭に入っているなら、ベーシストは先程の4度圏表より、このベース指板を使いツーファイブを考える方が楽かと思います。一部を切り取って見てみましょう。
ツーファイブの覚え方も自由
4つの指板の音名を例に挙げていますが、いずれも2回の完全4度進行をしています。この方法は4弦か3弦からしか使えませんが、音名の並び方を更に把握していれば、2弦や1弦からでも考えられます。これ以外にもツーファイブの覚え方は色々あるので、自分に合った覚え方をすれば良いでしょう。
- ツーファイブは3つのコードで成立する。
- ツーファイブはメジャーキーとマイナーキーがある。
- ツーファイブは2回の完全4度進行をする。