ジャズのスタンダードにバグス・グルーヴ(Bags Groove)という曲があります。ビブラフォン奏者のミルト・ジャクソンが、何十年も前に作った曲です。コード進行的にも易しくて、ジャズ初心者には良い練習曲になると思います。僕が音楽ソフトや楽器で作ったものですが、先ずはどういった曲なのか、最後まで聴いてみてください。

バグス・グルーヴでジャズを知る

コーラス

譜面を確認してみると、最初の1拍目を除いて、12小節で一区切りしているのが分かります。この一区切りのことをコーラスという単位で表すことがあります。1周するならワンコーラス、2周するならツーコーラス、といった具合です。

メロディフェイク

音源を聴いてみると、1コーラス目は譜面にも記されている通りの、メロディを弾いています。2コーラス目はメロディをアレンジして、僕が好きなように弾いています。これをメロディフェイクと言い、ジャズでは当たり前のことです。原曲の面影が全くないような、メロディフェイクをする演奏者もいます。

コード進行もアレンジされる

バグス・グルーヴのコード進行は、ブルースのコード進行をアレンジしています。曲や演奏者によってキーは違ってきますが、バグス・グルーヴは調号や、1小節目のコードからも、F(エフメジャー)のキーだと判断できます。そして、ブルースはドミナントセブンスコードにするのが普通なので「F7」となります。ここでは譜面のようなコード進行ですが、同じ曲でもジャズではコード進行をアレンジすることがよくあります。

バグス・グルーヴの曲構成

最初の2コーラスはバグス・グルーヴのテーマで、テーマとはメロディのことです。前述したように、1コーラス目は譜面通りに、2コーラス目はメロディフェイクで弾いています。それが終わったらピアノソロが始まり、そこからウォーキングベースを弾き始めています。ピアノソロは全部で5コーラスあるので、当然ウォーキングベースも5コーラス分必要になります。ピアノソロが終わると、再びテーマを2コーラス弾いて曲が終了します。これは僕が作ったバグス・グルーヴの曲構成なので、他の人が作ったらピアノソロがもっと長くなったり、ベースソロやドラムソロも入ってきたりと、また違った曲構成になります。

スウィングについて

僕が作った音源は「ピアノ・ベース・ドラム」のトリオ編成で、ドラムは打ち込みと言われる、音楽ソフトで作っています。スウィングについてですが、ドラムを1拍3連符で打ち込んでいるので、ベースも1拍3連符のミディアムスウィングで弾いています。本格的なジャズでは、ジャストの1拍3連符でスウィングすることは、あまりないと思いますが、最初は1拍3連符の方が分かり易いと思うので、そうしています。スウィングは曲のテンポや、演奏者によって変わってくるので、常に変化するリズムだと思ってください。

バグス・グルーヴのテーマ

前述したように、どんな曲にもその曲と分かる、メロディがあるのは当たり前です。その部分をテーマと言って、そこにもベースラインが必要になります。ここでは冒頭の2コーラスと、ピアノソロが終わってからの2コーラスの、計4コーラスを見ていきましょう。

シンプルなベースライン

譜面だけを見ても、2分音符を中心に組み立てている、シンプルなベースラインだというのが分かるでしょう。4・8・12小節目もピアノとドラムに、大人しく合わせています。もちろん、もっと音数を増やしたりして、派手なベースラインにしてみるのもいいでしょう。僕は初っ端ということで、小節の1拍目はルートを使い、その他もコードトーンを使った、落ち着きあるベースラインにしてみました。

ウォーキングベースでもOK

2コーラス目も先ほどと同じような、シンプルなベースラインです。テーマ曲からウォーキングベースを使ってはダメ、という決まりはないので、4・8・12小節目以外はウォーキングベースにする、というのも良いでしょう。ただ、今回のようにテーマを落ち着いたベースラインにして、ピアノソロでウォーキングベースを持ってくると、雰囲気を切り替えられるような感じが出せるので、僕はそのようにしています。

1拍目にルート以外のベースライン

冒頭の2コーラスとは違い、動きの多いベースラインになっていると思います。同じく4・8・12小節目に、ピアノとドラムで合わせる小節がありますが、8小節目では1拍目に長3度を使っています。ウォーキングベースに限らずテーマのベースラインでも、長3度を1拍目に使っても不自然ではないでしょう。ルート以外では3度が一番使いやすいと思いますが、1拍目に5度や7度を利用した、ベースラインも試してみるといいでしょう。

エンディングのベースライン

ここでも小節の1拍目に、3度や5度の音を使ったり、4・8・12小節目は8分音符を使ってりしています。8分音符はスウィングするので、跳ねるように弾くのも忘れないでください。最後の2小節だけコードを変更して、曲が終わりに向かうようにしています。聴いてもらうと分かりますが、よくあるエンディングです。他の曲でも使えるベースラインなので、このまま覚えておいてもいいでしょう。