ジャズではアドリブ演奏中に、コード進行を変化させることがあります。ベーシストも変化させたコード進行で、ウォーキングベースラインを作ることも可能です。コード進行を変化させる一つにツーファイブを作るという方法があります。バグス・グルーヴのコード進行を用いて、ツーファイブの作り方を見ていきましょう。

ツーファイブの作り方

アレンジしていないバグス・グルーヴのコード進行

バグス・グルーヴのツーファイブ

バグス・グルーヴのコード進行だけを記した簡略譜面で、この時点ではまだバグス・グルーヴ(Bags Groove)で紹介した譜面から、コード進行にアレンジはしていません。バグス・グルーヴのキーはFメジャーで、トニックコードは「F7」です。11小節目の「F7」に注目してみると、一つ前の10小節目が「C7」で、もう一つ前の9小節目が「Gm7」で、9小節目から11小節目にかけてが、ツーファイブだと分かります。

今度は1小節目の「F7」に注目してみましょう。最後の12小節目は、小節内に「Gm7」と「C7」が並んでおり、ここも1小節目にかけて、ツーファイブしていることになります。このコード進行の場合だと、小節の長さは違いますが、2回のツーファイブを見ることが出来ます。

6小節目のB♭7をツーファイブにアレンジしたバグス・グルーヴのコード進行

ツーファイブを作った6小節目

本来なら6小節目も、5小節目の「B7」が続きます。7小節目にはトニックコードである「F7」があり、そこをめがけて、6小節目に「Gm7」と「C7」を置いてやると、6小節目でツーファイブ、7小節目でワンの完成です。5小節目に続き6小節目も「B7」で弾き続けることに飽きたら、ツーファイブのコード進行にしてやることにより、ウォーキングベースラインに広がりが生まれます。

5小節目を仮のトニックコードとし4小節目にツーファイブを作りアレンジしたバグス・グルーヴのコード進行

仮のトニックコード

コード進行にアレンジを加えなければ、3小節目に続いて4小節目も「F7」です。しかし、ここにツーファイブ作ってやることにします。5小節目は「B7」なので、前と同じ「Gm7」と「C7」では、ツーファイブが成立しません。そこで5小節目の「B7」を仮のトニックコードとして見てやります。そうすると、4小節目は「Cm7」と「F7」にしてやるとよく、これで4度進行が2回ある、ツーファイブワンになる分けです。

コード進行を勝手にアレンジして大丈夫?

しかし、このようにコード進行を勝手にアレンジして、ウォーキングベースラインを作ってもいいのでしょうか。時には伴奏者やアドリブ奏者と、音がぶつかってしまうこともありますが、極端におかしくなることはありません。またベースだけでなく他の演奏者も、ツーファイブを利用したりして、コード進行をアレンジすることがあります。これを音楽理論的に説明すると、長くなってしまうので割愛しますが、コードの構成音が似ているなどの理由により、ツーファイブを使ってコード進行をアレンジ出来る、というのを覚えておきましょう。

マイナーキーのツーファイブ

次はマイナーコードへかかる、ツーファイブを見ていきましょう。マイナーキーのツーファイブも、4度進行をしていますが、コードの内容に少し変化があります。サマータイムと枯葉という曲で、マイナーキーのツーファイブを見ていきましょう。

Aマイナーキーのダイアトニックコードとサマータイムのコード進行

ツーファイブのツーに(♭5)

サマータイムのトニックコードは「Am7」で、そこを目掛けてツーファイブがかかりますが、ツーファイブのツーのコード「Bm7(♭5)」には、フラットファイブの(♭5)が付加しており、マイナーコードのツーファイブは、それが基本となります。

ツーファイブのファイブに(♭9)

10・11小節目のツーファイブのファイブには、テンションノートである(♭9)の、フラットナインスが付いています。このフラットナインスは、使われないことも多いので、基本とは考えなくて良いでしょう。

Gマイナーキーのダイアトニックコードと枯葉のコード進行

ツーファイブを作る

次は枯葉のコード進行で、この曲は「Gm」や「Gm7」がトニックコードとなり、5・6・7小節目が、ツー・ファイブ・ワンのコード進行だと分かります。では、ここで問題です。1小節目の「Cm7」を、仮のトニックコードとし、8小節目にツーファイブを作ってみてください。仮のトニックコードがマイナーコードなので、ツーファイブもそれに合わせることも、忘れないでください。

2種類のツーファイブが存在する枯葉のコード進行

2種類のツーファイブ

先ほどと同じ枯葉のコード進行ですが、1・2・3小節目にかけてのコード進行に注目してみましょう。3小節目の「BM7」をトニックコードとする、メジャーキーのツーファイブを確認できます。先ほども説明したように、5・6・7小節目にかけてはマイナーキーのツーファイブがあるので、枯葉のコード進行ではマイナーキーとメジャーキーの、2種類のツーファイブが、存在していることになります。これは先ほど説明した、サマータイムのコード進行でも同じことが言え、色んな曲で見ることが出来ます。