ジャズに慣れるのに練習は言わずもがな、ジャズを聴くのも練習のうちです。しかし、誰のどんなジャズから聴いてよいのやら、と思っている人もいるでしょう。そこで僕が所有する117枚のCDの中から、初心者にも聴き易いであろう、ジャズの名盤やお勧めを、勝手に10枚だけ選んだので、参考にしてください。
BAGS GROOVE
マイルス・デイヴィス
バグス・グルーヴの作曲者、ミルト・ジャクソンのビブラフォンも、もちろん素晴らしいですが、この曲でのハイライトは、マイルス・デイヴィスのトランペットだと思います。ベースとドラムだけの上で鳴っている、マイルスのソロ演奏は、聴き惚れてしまうかのようです。
GIANT STEPS
ジョン・コルトレーン
テナーサックス奏者のコルトレーンにも、何枚かの名盤がありますが、僕はこれが一番好きです。ジャズは休符を楽しむ音楽、だと聴いたことがありますが、タイトルにもなっている「ジャイアント・ステップス」は、彼のテナーサックスから休むことを知らないかのように、次々と音が飛び出します。
WE GET REQUESTS
オスカー・ピーターソン
歴代ジャズピアニストでは、トップ5に入るであろうテクニックを持つ、オスカー・ピーターソンの名盤です。歴代のトリオ演奏では、必ず上位にはいってくる一枚で、40年以上経つ現在でも、全く古さを感じさせません。1曲ずつがコンパクトにまとまっている、とても聴きやすいジャズ演奏です。
KELLY BLUE
ウィントン・ケリー
アルバムのタイトルにもなっている「ケリー・ブルー」が最も有名だと思いますが、ジャズスタンダードの「朝日のようにさやわかに」はブルース色が強く、ケリーらしさが感じられる一曲でしょう。ベースを担当するのはポール・チェンバースで、ベーシストとしては、そちらにも注目して欲しいです。
Carnegie Hall
ベニー・グッドマン
クラリネット奏者のベニー・グッドマンは、スウィングという演奏スタイルを、定着させた一人です。当時の音源で録音されているためか、クリアーな音では聴くことは出来ませんが、名演奏には間違いありません。ソロ演奏も驚くような、高いテクニックではないですが、初めて聴く人には、とても新鮮に感じられるはずです。
THE GIRL FROM BOSSA NOVA
アストラッド・ジルベルト
午後のカフェで聴きたくなるのが、アストラッド・ジルベルトの歌声です。彼女はボサノバの女王と形容されますが、その歌声は女王というような感じはせずに、優しく囁かれて癒してくれる歌声でしょうか。代表曲は「イパネマの娘」だと思いますが、その他にも魅力的な歌声が聴けると思います。
Art Pepper Meets The Rhythm Section
アート・ペッパー
1曲目に「You’d be so nice to come home to」という曲があり、それならオリジナルのヘレン・メリルが歌った、同曲の方が有名ですが、アート・ペッパーもアルトサックスで見事に歌い上げています。サックスが鳴った瞬間、必ずやカッコイイと思わせるはずです。
Beyond The Bluebird
トミー・フラナガン
ピアニストであるトミー・フラナガンの、古くからのファンである人なら、他のCDを勧めると思いますが、僕はこの一枚を聴いてほしいです。ピアノ・ベース・ドラムの音が綺麗で、そこにギターの音も上手く溶け込んでいて、しっとりさせてくれます。ジャズブルース色が目立つ、CDアルバムだと思います。
The Melody At Night, With You
キース・ジャレット
激しいプレイの多いキース・ジャレットですが、この一枚はピアノソロで構成されています。ほぼジャズという感じはせず、イージーリスニングのような、静寂ささえも感じ取れる名演です。じっくり聴くのも良いですし、全く邪魔にならないので、勉強や昼寝の時にも、最適な一枚と言えるでしょう。
Bassics Best of Ray Brown Trio
レイ・ブラウン
レイ・ブラウンはジャズベーシストが、お手本にするうちの一人です。このベストアルバムも「ジャズのウォーキングベース」というのが、堪能できる一枚かと思います。ピチカート(指弾き)と、アルコ(弓弾き)の両方で、永遠にジャズベーシストの先生として語り継がれることでしょう。