前のページで紹介した「バグス・グルーブ」で僕が弾いている、ピアノソロ5コーラス分のウォーキングベースを、1コーラスずつ譜面と音源で確認してみましょう。オリジナルのウォーキングベースを作る、参考になれば嬉しいです。細かなことですが、ウォーキングベースは、ウォーキングベースラインや、ウォーキングラインとも言われます。
ウォーキングベースラインの分析
4分音符以外も使える
4小節目までは1拍目にのルートを置き、4拍目に▲のクロマチックノートを置いています。僕のウォーキングベースラインは一曲を通して、このパターンが多いと思います。7小節目は1コーラス目で唯一、1拍目でルート以外の音を使っています。ルート以外を1拍目に持ってくるのは、慣れていないと不安ですが、積極的に使っていきましょう。ウォーキングベースは4分音符が中心ですが、4小節目と12小節目のように、4分音符以外を使っても問題ありません。しかし、使い過ぎはウォーキングベースの良さを壊してしまい、聴き苦しくなってしまうでしょう。
ウォーキングベースが思い浮かばない時
1小節目は1拍目と2拍目に、オクターブ違うのルートを、3拍目には
の短7度をという、僕が困ったときに使うウォーキングベースラインです。この時は音よりも、指板のポジションを優先させて弾いています。その3拍の間に、4拍目は2小節目へと繋がる、▲のクロマチックノートを探し、繋げるようにしています。このように、何も思い浮かばなかった時の為に、ウォーキングベースラインを考えておくのも良いでしょう。
9小節目からのドミナントペダル
9小節目からは3弦3フレットの音が、連続して続いています。これはペダルポイントという、同じ音を鳴らし続ける演奏方法です。この曲のキーはFメジャーで、3弦3フレットのC音は完全5度に当たり、それを音楽理論的にドミナントと言います。ドミナントのペダルポイントということでドミナントペダルと言います。曲の主役に当たる音をトニックと言いますが、バグス・グルーヴだとF音になるので、その場合はトニックペダルです。
ペダルポイントで雰囲気を変える
ドミナントペダルやトニックペダルのように、コードを無視し同じ音を鳴らし続けることで曲の雰囲気を変える効果があります。11・12小節もドミナントペダルをアレンジさせた、ウォーキングベースラインと考えてください。ここでは4小節しかドミナントペダルを使っていませんが、1コーラスの12小節を、ドミナントペダルで通しても面白いでしょう。他の演奏者がペダルポイントに気づくと、それに応じたフレーズを返してくれる場合もあります。
コードのことを考えない
1・2・3小節目と、同じウォーキングベースラインが続いています。偶然に2小節目の1拍目が、コードトーンのに当たっただけで、コードのことは考えずに、同じウォーキングベースラインを弾き続けたいと思い、3小節目もそれを続けています。ピアノソロが盛り上がってきたことも、手伝ったんだと思いますが、このようにコードのことは一切無視して、自分の好きな音や感覚だけで、ウォーキングベースラインを作る小節があっても良いでしょう。しかし、あまりに長くなり過ぎると、ソロをとっている演奏者が困ってしまうので、気をつけてください。
ピアノソロの終わり
ウォーキングベースの最終コーラスで、ピアノソロも終わります。11・12小節目も続けて、4分音符のウォーキングベースラインで問題ありませんが、譜面のように、2分音符などに変えることにより「ピアノソロの終わり」という雰囲気を作れると思います。また、ドラムもよく聴いてみると、静か目な演奏になり、ピアノソロの終わりを告げているのが分かると思います。ここでは5コーラス分のピアノソロ、というのが分かっていましたが、バンドによっては、アドリブソロを何コーラスとるかを、決めてない場合もあります。そういう場合は、終わりの合図をアドリブ演奏者が出すので、その演奏者をよく見ておかないといけません。