音符の中で最初の壁となるのが、16分音符かと思います。そこへ16分休符が混ざってくると、非常に厄介なリズムとなります。ここでは音源を使わずに「タカタカ」や「ウンウタ」といった言葉を使い、復習の意味も兼ねて、16分音符と16分休符のいろんなリズムパターンを見ていきましょう。
16分音符4つを基本
4分音符が1回鳴る長さは、16分音符が4回鳴るのと同じ長さです。16分音符が4回鳴る場合もあれば、その中に休符が1つ・2つ・3つ、と入ってくる場合もあります。そのパターンを順番に見ていきましょう。

16分音符4つのタカタカを基本にする
これは4分の4拍子を簡略化した1小節で、それぞれ4分音符・8分音符・3連符・16分音符を、1拍ずつで区切っています。復習の意味も込めて確認していくと、1拍目の4分音符1つを半分に割ったのが2拍目の8分音符、3つに割ったのが3拍目の1拍3連符、4つに割ったのが4拍目の16分音符になります。この1拍ずつに区切った小節と4拍目の16分音符4つの「タカタカ」を基本にして考えていきましょう。

16分休符の位置がずれていく
先ほど説明した16分音符4つの「タカタカ」から、1拍目は1つ目に16分休符が入り「ウカタカ」、2拍目は2つ目に16分休符が入り「タウタカ」、3拍目は3つ目に16分休符が入り「タカウカ」、4拍目は4つ目に16分休符が入り「タカタウ」という、16分音符が3つと16分休符が1つのパターンです。簡略小節を見てみると、16分休符の「ウ」が順番にずれていくのが分かります。

16分音符2つは8分音符1つ
1拍目の「ウンタカ」は1つ目と2つ目に16分休符、3つ目と4つ目に16分音符の形です。16分休符2つは8分音符1つと同じ長さなので、2拍目のような表し方も出来ます。3拍目の「タカウン」は1つ目と2つ目に16分音符、3つ目と4つ目に16分休符の形で、これも同じように、8分休符を使った4拍目のような表し方も出来ます。このように16分休符2つで表す人もいれば、8分休符1つで表す人もいると思います。

16分休符2つは8分休符1つ
1拍目の「ウカウカ」は1つ目と3つ目に16分休符、2つ目と4つ目に16分音符の形です。それとは逆に、2拍目の「タウタウ」は1つ目と3つ目に16分音符、2つ目と4つ目に16分休符です。3拍目の「ウカタウ」は1つ目と4つ目に16分休符、2つ目と3つ目に16分音符の形です。4拍目の「タウンカ」は1つ目と4つ目に16分音符、2つ目と3つ目に16分休符が来ています。4拍目は16分休符が2つ連続しているので、その部分は前で説明したように、8分休符1つに直してやることも出来ます。

16分休符3つは付点8分休符1つ
1拍目の「ウンウカ」は1つ目から3つ目までが16分休符、4つ目に16分音符の形です。16分休符3つは、付点8分休符1つと同じなので、2拍目のように表します。3拍目の「タウンウ」は1つ目に16分音符、2つ目から4つ目までが16分休符で、これも付点8分休符を使い、4拍目のように表します。16分休符が3つ続けば、付点8分休符で表されることがほとんどですが、リズムを歌う時には16分休符3つで考えた方が、見た目にも分かりやすいかもしれません。

頭の休符も歌うことがポイント
1拍目の「ウカウン」は2つ目に16分音符があり、そこ以外の3つは16分休符です。前にも説明したように、16分休符が2つ連続しているので、ここを2拍目のように、8分休符に直してやることも出来るので、1拍目と2拍目は同じリズムになります。3拍目の「ウンタウ」は3つ目に16分音符で、そこ以外は16分休符で、やはりこれも4拍目のような形で表すことが出来ます。いずれも拍の頭は休符で入っており、この休符をしっかりと歌うことが、実際に楽器を演奏する時にも、ポイントになってくるでしょう。
歌い方は自由に好きな言葉で
これまでにも何度か説明していますが、歌い方については自由です。僕は音楽学校で習った通り、16分音符が4つなら「タカタカ」と歌っていますが、人によっては全部「タタタタ」など、統一した方が分かりやすいでしょう。特に16分休符が入ってくると「タカウカ」と歌うよりも「タタウタ」と歌った方が簡単かもしれません。要は青い文字の「タ」や「カ」は音符を鳴らす位置で、赤い文字の「ウ」や「ン」が休符の位置を表している、というのを理解しておけば問題ありません。
16分音符と8分音符のセット
今度は16分音符と一緒に、8分音符が入っている1拍の形を見ていきましょう。ここでも先ほどまでと同じように、4分の4拍子で1拍ずつに区切った1小節で、文字を見て歌えるようになることを目標にしていきましょう。

伸ばしている音を歌う
ここも1拍目の16分音符4つの「タカタカ」を基本としましょう。その1つ目の「タ」と2つ目の「カ」がタイで結ばれ、8分音符の長さになったのが、2拍目の「タアタカ」と考えるといいでしょう。同じように、1拍目の3つ目と4つ目の「タカ」が結ばれた形が3拍目の「タカタア」で、1拍目の2つ目と3つ目の「カタ」が結ばれた形が、4拍目の「タカアカ」と考えます。
青色で記した「タ」や「カ」は音符を歌う位置で、緑色で記した「ア」は、その前に歌った音符が、伸びていることを表しています。もし2拍目の音符のリズムが思い出せない場合は、1拍目の「タカタカ」というのをゆっくりでいいので何度か歌い、2つ目の「カ」を「ア」に変えて歌ってみると「タアタカ」という2拍目のリズムになります。1拍目の「タカタカ」と文字数が同じになるので、それと比較しやすいかとは思います。

タイ記号の音符はタイ記号なしから考える(その1)
1拍目と2拍目は先ほども見た音符で、続けて歌うと「タアタカ|タカタア」となります。この1拍目と2拍目を、タイ記号で結んだのが3拍目と4拍目になります。いきなりタイ記号で結ばれた、3・4拍目のリズムを考えると難しいので、まずは1・2拍目の「タアタカ|タカタア」を何度か歌ってみましょう。何度目かに4拍目の頭の「タ」を「ア」に変えてやれば、それがそのまま3・4拍目を続けた「タアタカ|アカタア」のリズムになってくれます。

タイ記号の音符はタイ記号なしから考える(その2)
今度も考え方は先ほどと同じです。1拍目と2拍目は「タカタア|タアタカ」となり、これをタイ記号で続けたリズムが3拍目と4拍目です。ここでも1・2拍目の「タカタア|タアタカ」を何度か繰り返して、4拍目の1つ目を「タ」から「ア」に変えて歌ってみましょう。すると「タカタア|アアタカ」となり、3拍目から4拍目にかけて「ア」が3つ続くことになります。リズムに乗れないようなら、ゆっくり喋るようにして、声に出しても構いません。

タイ記号の音符はタイ記号なしから考える(その3)
1拍目から4拍目まで「タカアカ」というリズムですが、前と同じように、3拍目と4拍目がタイ記号で結ばれています。1拍目と2拍目の「タカアカ|タカアカ」を何度か歌ってみましょう。その時に拍の頭の「タ」と同じタイミングで、足や手で1拍ずつリズムをとっておきましょう。3・4拍目の「タカアカ|アカアカ」も拍の頭で1拍ずつリズムをとりますが、4拍目は音を伸ばしている「ア」と同じタイミングで、手足で1拍を叩いてることを意識してください。
16分音符が付点8分音符とセット
16分音符と付点8分音符で1拍という形も、ベースラインでは多く見られます。16分音符が先に来るか後に来るかでも、リズムは大きく変わってくるでしょう。また、タイ記号で結ばれたリズムも見ておきましょう。

付点8分音符の考え方
1拍目の「タアアカ」は付点8分音符+16分音符という形です。付点8分音符は16分音符3つ分になるので、それを表したのが2拍目になります。ただ、そのままでは付点8分音符と同じにならないので、見ても分かるように、1つ目から3つ目までの16分音符を、タイ記号で結んでいます。3拍目の「タカアア」は16分音符+付点8分音符の形で、16分音符をタイ記号で結び、同じリズムにしたのが4拍目です。これらのリズムを基本にして、次からのリズムも考えてみましょう。

付点8分音符と16分音符とタイ記号
1拍目と2拍目を続けると「タアアカ|タカアア」となります。3拍目と4拍目も同じ音符なのですが、タイ記号がついている為に、大きくリズムが違ってきます。1・2拍目の「タアアカ|タカアア」を何度か歌い、2拍目の頭の「タ」を「ア」に変え歌ってみましょう。そうすれば3・4拍目の「タアアカ|アカアア」になります。付点8分音符というリズムも、これまでにやってきたことと同じです。

8分音符からタイ記号のリズム
16分音符4つの1つ目と2つ目をタイ記号で結び、3つ目と4つ目をタイで結んだ形を想像してみましょう。それが1拍目の8分音符の「タアタア」というリズムになります。1拍目と2拍目を続けると「タアタア|タカアア」となり、それをタイ記号で結んだのが3拍目と4拍目の「タアタア|アカアア」となります。16分音符や付点8分音符の、細かいリズムばかりに慣れてしまうと、8分音符のような簡単なリズムが、急に分からなくなる場合もあります。

8分音符へのタイ記号のリズム
1拍目と2拍目を続けると「タアアカ|タアタア」となり、この1・2拍目を何度か続けて歌ってみましょう。これまでと同じように、3拍目と4拍目は前の2拍に、タイ記号がついた形になっています。2拍目の頭を「ア」に変えて歌ってやったのが、3・4拍目の「タアアカ|アアタア」になります。タイ記号で結ばれた音符の「ア」が、拍の頭になるというのを、しっかりと意識しましょう。
初めまして、大変分かりやすいので参考にさせていただきます。
質問なのですが、
「16分音符4つを基本」に出てくる「タカウカ」と「16分音符と8分音符のセット」に出てくる「タカアカ」の違いを教えていただけませんでしょうか。
はじめまして!
コメントありがとうございます。
左の「タカウカ」のウは休符なので、その部分を実際にベースで弾く時は音を止めますが、右の「タカアカ」のアの部分は、前の音を伸ばしている状態なので、ベースの音は止めずに鳴らし続けます。確かに両方を口に出して歌うと、同じリズムかと思ってしまいますが、ベースで弾く時は大きく違うリズムになります。これら両方の違いというと、こういうことかと思いますが、これで良かったでしょうか?お礼の返信は無用です。でも分からなければ、またコメントください。
すごーーーーく分かりやすかったです。ありがとうございました。
はじめまして!
コメントありがとうございます。
少しでもお役に立てたなら
何よりです!