メジャースケールやマイナースケールを、始めとするダイアトニックスケールは、7つの音から構成される、七音音階(しちおんおんかい)でした。ここでは五音音階であるメジャーペンタトニックスケールを見ていきましょう。
Cメジャーペンタトニックスケール

メジャーペンタトニックスケールの作り方
先ずはC音を主音とする、Cメジャースケールから考えていきましょう。そこから第4音目にあたるF音と、第7音目に当たるB音を抜いてやったものが、Cメジャーペンタトニックスケールになります。他の主音でも同じで、Fメジャースケールから第4音と第7音を抜くと、Fメジャーペンタトニックスケール、Gメジャースケールから第4音と第7音を抜くと、Gメジャーペンタトニックスケールです。
ヨナ抜き・スコットランド音階
このように、メジャースケールから第4音と第7音を抜くので、メジャーペンタトニックスケールはヨナ抜きとも言われます。また、スコットランド民謡でもよく見られる音階なので、スコットランド音階とも説明される場合があります。

メジャーペンタトニックスケールの覚え方
上記がCメジャーペンタトニックスケールの、ポジションを表した指板図です。構成音で覚えても間違いではないのですが、フレット毎に区切って覚える、という方法がよく知られています。これは僕も音楽学校で教えてもらった方法で、主音が変わっても対応しやすくなるというメリットがあります。ここではCメジャーペンタトニックスケールを、基準として覚えていきましょう。

ポジション1のCメジャーペンタトニック
ポジション1は0フレットから、3フレットまでを覚えます。フレットには音名も記していますが、先ずはそれらを無視して「●」と「●」のフォームを、ポジション1として覚えてください。

ポジション2のCメジャーペンタトニック
ポジション2のCメジャーペンタトニックは、2フレットから5フレットまでを覚えます。ポジション1と被っているフレットもありますが、間違いではありません。

ポジション3のCメジャーペンタトニック
ポジション3のCメジャーペンタトニックは、5フレットから8フレットまでを覚えます。

ポジション4のCメジャーペンタトニック
ポジション4のCメジャーペンタトニックは、7フレットから10フレットまでを覚えます。

ポジション5のCメジャーペンタトニック
ポジション5のCメジャーペンタトニックは、9フレットから12フレットまでを覚えます。

ポジション1に戻るCメジャーペンタトニック
次のポジションは12フレットから、15フレットに作られますが、これは最初に見たポジション1の、Cメジャーペンタトニックと同じです。この先のフレットも、ポジション2・3・4・5と繰り返されます。
主音の変わったメジャーペンタトニック
Cメジャーペンタトニックのポジションを、5通りに分けて説明してきました。主音が変わり、E♭メジャーペンタトニックになったとしましょう。そうなったとしても、メリットがあると説明した通り、Cメジャーペンタトニックのポジション、1・2・3・4・5のどれかに必ず当てはまるようになっているのです。次はE♭メジャーペンタトニックを例に挙げて、考えていきましょう。
E♭メジャーペンタトニックスケール

E♭メジャーペンタトニックを作る
先ずはE♭メジャーペンタトニックスケールを、作るところから始めましょう。メジャースケールから4番目と7番目を抜いた、ヨナ抜きがメジャーペンタトニックスケールでした。上記両方の小節でも、そうなっているのを確認できると思います。

E♭メジャーペンタトニックのポジション
上記が15フレットまでで表した、E♭メジャーペンタトニックのポジション指板図です。Cメジャーペンタトニックの時と同じように、0フレットから順番に、フレット毎に区切って見ていきましょう。そして、Cメジャーペンタトニックのポジションと、照らし合わせても見ていきましょう。

ポジション5のメジャーペンタトニック
左の指板図に見られるのが、ポジション5のE♭メジャーペンタトニックです。最初のポジションなのに、何故ポジション5から始まるのかと言うと、Cメジャーペンタトニックを基準にしているからです。右の指板図に見られる、ポジション5のCメジャーペンタトニックと、同じポジションなのが分かりますでしょうか。

ポジション1のメジャーペンタトニック
メジャーペンタトニックのポジションは、5で最後だったので、次からはポジション1に戻ります。3フレットから6フレットに作られるのが、ポジション1のE♭メジャーペンタトニックです。これは0フレットから3フレットに作られる、Cメジャーペンタトニックと同じです。

ポジション2のメジャーペンタトニック
左側の指板図に見られる、5フレットから8フレットに作られるのが、ポジション2のE♭メジャーペンタトニックです。これは右側の指板図に見られる、2フレットから5フレットに作られる、ポジション2のCメジャーペンタトニックと同じです。

ポジション3のメジャーペンタトニック
左側の指板図に見られる、8フレットから11フレットに作れるのが、ポジション3のE♭メジャーペンタトニックです。これは右側の指板図に見られる、5フレットから8フレットに作られる、ポジション3のCメジャーペンタトニックと同じです。

ポジション4のメジャーペンタトニック
左側の指板図に見られる、10フレットから13フレットに作られるのが、ポジション3のE♭メジャーペンタトニックです。これは右側の指板図に見られる、7フレットから10フレットに作られる、ポジション3のCメジャーペンタトニックと同じです。
メジャーペンタトニックのポジションまとめ

メジャーペンタトニックは5つの連番
メジャーペンタトニックをまとめると、ポジション1から5までは、上記のような「●」を作っています。説明してきたように、何の音が主音になろうと、これら5つのポジションのどれかに当てはまります。ポジション1から3などへ飛ぶことはなく、ポジション1・2・3・4・5を繰り返す、連番になっていますが、必ずポジション1から始まるという分けではありません。
メジャーペンタトニックのポジション基準
ここではメジャーペンタトニックのポジション基準を、C音が主音の、Cメジャーペンタトニックにして考えましたが、他の音を主音とした、メジャーペンタトニックで考えても良いでしょう。ポジション番号の呼び方は変わってきますが、ポジション自体は変わることはありません。また、5つのポジションを番号ではなく、独自の名前で覚えている人もいます。
マイナーペンタトニックも同じポジション
次のページでは、マイナーペンタトニックというスケールを紹介しています。これもポジションを区切って覚えていくのですが、マイナーペンタトニック専用のポジションがある分けではなく、メジャーペンタトニックのポジション5つと、全く同じポジションで覚えることが出来ます。これもポジション区切りで覚える、ペンタトニックスケールのメリットと言えるでしょう。