メジャースケールの長音階にはあって、マイナースケールの短音階にはない音程があります。音階の1音ずつには名前と機能があると説明しましたが、第7音目に当たる導音(どうおん)に注目しながら、メジャースケールと3種類のマイナースケールについて見ていきましょう。
メジャースケール
メジャースケールの導音
メジャースケールは日本式で自然的長音階、というのが正確な呼び方です。第7音目のB音は次の主音へと半音で繋がっており、このB音の事を導音と言います。主音へ半音で繋がる導音がある事により、自然的長音階がスッキリ終わるという終止感をもたらしてくれます。
マイナースケール
ナチュラルマイナースケール
これまでは単にマイナースケールと説明しましたが、正しくはナチュラルマイナースケールと言い、日本式では自然的短音階と言います。このナチュラルマイナースケールですが、メジャースケールのような半音による導音がなく、最後は全音で終わっているのが分かります。
全音では導音でない?
このように全音で主音へと繋がる音は導音ではない、とされる事が多いようです。
ハーモニックマイナースケール
ナチュラルマイナースケールの第7音目を、半音上げたものがハーモニックマイナースケールで、日本式では和声的短音階と言います。これで終止感は生まれましたが、第6~7音目の音程が半音3つ分も空いてしまい、ハーモニックマイナースケールは不自然さが残るとされています。
メロディックマイナースケール
ハーモニックマイナースケールの第6音目を、半音上げたものがメロディックマイナースケールで日本式では旋律的短音階です。不自然さも無くなり半音の導音もあるので、これが最良のマイナースケールかと思ってしまいますが、決してそういうわけではありません。
下行形はナチュラルマイナースケール
メロディックマイナースケールは音が上がっていく時は①ですが、音が下がる時はナチュラルマイナースケールに戻した②になる事が多いです。その方が自然な流れになるからという理由ですが、絶対的な決まりではないので、音が下がる場合も①になっても問題ないでしょう。
- 自然的短音階に導音は無い。
- 和声的短音階に導音はあるが少し不自然。
- 旋律的短音階は上行形と下行形では異なる。