ボサノバと同じくサンバのリズムもブラジルで生まれた、リオのカーニバルなどでも御馴染みの、賑やかで軽快な音楽です。サンバとボサノバでは、雰囲気が大きく変わりますが、ベースラインでは似たところがあり、それはルート(根音)と5度を基本に、組み立てられることです。また、サンバは4分の2拍子でリズムを取ることが多いですが、ここでの譜面は、4分4拍子で表記していきます。

サンバの練習ベースライン

完全5度か減5度か

ブラジルのサンバとは程遠く、テンポも遅めですが、僕が考えるオーソドックスなサンバのリズム、ベースラインがこのような感じです。冒頭で触れたように、サンバもルートと5度と基本に組み立てられるので、ここでもそのようにしています。その5度の音ですが、5小節目と13小節目の「Bm7(♭5)」は(♭5)が示しているように、完全5度ではなく、減5度の5度を使っています。絶対に「Bm7(♭5)」で完全5度を使うのはダメ、ということはありませんが、普通はコードに従うことが多いので、5度の完全5度か減5度かはコードで判断すると良いでしょう。

16分休符が味を出すサンバ

ここでは各小節の1拍目と2拍目に見られる、ルートと完全5度の4分音符が基本になっており、サンバのベースラインでよく見られると思います。後半8小節のポイントは16分休符で、この16分休符が味を出すサンバ風ベースラインとなっており、前半の8小節と比べると、大きな違いが感じられるでしょう。頭で16分休符の長さを考えるのも良いですが、先ずは音源を聴いて、16分休符がどのように入っているのかを、感じ取ってください。

グリッサンドは自由なスライド奏法

9小節目までは耳に残るベースラインが印象的ですが、サンバのベースラインかと言われれば、そうでもないでしょう。10小節目からがオクターブのルートを利用した、サンバにも見られるベースラインかと思います。9小節目にある「×」はゴーストノートではなく「g」ともあるように、グリッサンドを意味しています。グリッサンドはスライド奏法と同じですが、開始フレットや終了フレットは決まっておらず、弦も4弦でなくても良いでしょう。なのでグリッサンドは自由なスライド奏法と考えておけば良いかと思います。

ルートに合わせたポジション移動

ルートがオクターブ高くなっている小節もありますが、ルートの動きを見てみると6・4・2・1フレットと下降しているのが分かります。この譜面にある押弦の指示だと、ルートは人差し指で押さえていくのでルートに合わせたポジション移動が必要不可欠です。手の大きい小さいに関わらず、ポジション移動が必要なベースラインは、必ず出てくるものなので、正確な運指押弦・フィンガリングを心がけましょう。

ゴーストノートで味付け

押弦をしないで空弾きをする「×」のゴーストノートが、全小節にあります。この譜面のオリジナルは本来、ゴーストノートが1つもありませんでしたが、僕が勝手にゴーストノートを付け加えたベースラインにしてみました。ゴーストノートは音的には、大して意味はないので、休符に変えてしまう人もおり、それはそれで良いと思います。しかし、ゴーストノートを使うことにより、次の音を弾くまでのタイミングを取ったり、強めに弾くことでは、パーカッシヴ的な役割も作れると思います。なので、ゴーストノートは積極的に取り入れてやる方が、僕は良いかなと思っています。

N.C.はノンコード

前半の8小節は運指的には、難しいベースラインではないですが、休符が多くリズムを取るのに、苦労するかと思います。音符の読めない人は音源を何度も聴いて、リズムを暗記してしまうのも良いでしょう。後半の8小節からガラリと雰囲気が変わり、繊細な音符と休符から作られる、難しいベースラインなので、繰り返しの練習が必要です。サンバのベースラインに直接は関係ないことですが、1小節目から8小節目にかけてのN.C.はノンコードの略でコードなしという意味です。コードを付けようと思えば、付けられるのですが、作曲者の都合で必要ないとされた場合などは「N.C.」と表記されます。