小節を例えるなら、音符や休符を入れる箱のような物です。それに区切りを付けて、分かり易くするのが小節線(しょうせつせん)です。また、譜面の冒頭には音部記号(おんぶきごう)という、音域の位置づけをする音楽記号があります。小節線と音部記号について見ていきましょう。
小節線
小節線は縦線
矢印でも示すのが小節線ですが、またの名を縦線(じゅうせん)とも言います。縦線で区切られる事により、左側から順番に1・2・3・4小節目と表現されます。
複縦線は場面転換
2・3小節目を区切っているのが二重の縦線で、これを複縦線(ふくじゅうせん)と言います。複縦線はイントロからAメロ、AメロからBメロ等の、場面転換をする時に使用されます。
終止線で終わり
4小節目に見られる複縦線の右側が太くなったものを、終止線(しゅうしせん)と言います。終止線は名前の通り終わりを意味する小節線で、終止線で譜面を終えるのが決まりとなります。
小節線は他にもある
縦線・複縦線・終止線の3種類がほとんどですが、曲によっては特殊な小節線が引かれている場合もあります。
音部記号①
ヘ音記号とト音記号
左右の小節は同じ位置に音符が記されていますが、音部記号が違うため音名が違い、音の高さも全く違ってきます。左の小節の音部記号は低音域に使われるヘ音記号で、右の小節の音部記号は高音域に使われるト音記号と言います。これら2種類の音部記号について、もう少し詳しく見てみましょう。
ヘ音記号とト音記号のC音
上記の音符の中でなら、下段のヘ音記号にある①が最も低いC音です。同じヘ音記号の②のC音ですが、これは上段のト音記号の②のC音と同じ高さの音です。最も高いC音はト音記号の③です。これをピアノ図でも見ていきましょう。
オクターブのC音
先程のヘ音記号の①のC音から1オクターブ高いC音が②で、これはト音記号の②のC音でもあります。②から更に1オクターブ高いC音が③です。ヘ音記号の①のC音からト音記号の③のC音までなら、2オクターブの音程があるという事になります。
低音部記号と高音部記号
ヘ音記号は低音域の楽器に使われるので低音部記号と、ト音記号は高音域の楽器に使われるので高音部記号とも言われます。
音部記号②
ハ音記号
音部記号にはハ音記号というものもあり、真ん中の矢印部分がC音を示しますが、ハ音記号は上下に動きます。当然、真ん中の矢印も動くのでC音の位置も変わります。上記はハ音記号のアルト譜表(ふひょう)と言います。ハ音記号で他の譜表も見てみましょう。
譜表とは?
譜表というのも音部記号の事と思えば良く、音域を示す意味だと思えば良いでしょう。
ハ音記号は使わない
上記に示すのがハ音記号の、ソプラノ譜表・メゾソプラノ譜表・テノール譜表・バリトン譜表です。先程も説明したように、真ん中の矢印部分がC音を示しているのが分かります。このハ音記号ですが、ポピュラー音楽で使用する事は先ずないので、知識程度に覚えておけば良いでしょう。
バス譜表とヴァイオリン譜表
ヘ音記号とト音記号にも譜表が決められており、ヘ音記号はバス譜表で、ト音記号はヴァイオリン譜表と言います。そして、ヘ音記号とト音記号もハ音記号と同じく上下に動き、その譜表名を変える事もあります。しかしやはり、ポピュラー音楽で目にする事はないでしょう。
ベースはヘ音記号
ベースはヘ音記号を使うので、もし読譜に挑戦しようと思うなら、ヘ音記号を覚えましょう。
- 縦線・複縦線・終止線が基本の小節線。
- ヘ音記号とト音記号はよく見る。
- ハ音記号は滅多に見ない。