譜面やバンドスコアには「この小節はこう弾きなさい」という演奏記号による、指示がされている場合もあります。また、省略記号という音楽記号もあり、それで譜面を簡潔に見易くする事が出来ます。目にする機会は少ないものが多いですが、一通りは覚えておくと良いでしょう。
演奏記号
オッターバ記号で見易く
点線で8vaとあるのがオッターバ記号で、ここからは1オクターブ高い音で弾きなさいという意味です。②のオッターバ記号ナシと見比べてみても、見易い小節になっているのが分かります。オッターバ記号はオクターブ記号とも言われます。
2オクターブは15va
2オクターブ高いオッターバ記号もあり、その場合は16vaではなく15vaと表します。
タイ記号で音符を結ぶ
同じ高さの音符同士を、湾曲線で結ぶのがタイ記号です。結ばれた後の音符は音を打ち直さずに、前の音を続けます。なので、8分音符同士なら4分音符と同じ長さになります。①をタイ記号ナシで表してみると②のようになりますが、長さ的には同じですが間違った表し方です。
スラー記号で滑らか演奏
1小節目は先程説明したタイ記号ですが、2小節目はスラー記号というものです。スラー記号で囲われている音符は、滑らかに演奏しなさいという意味があります。スラー記号は多くの場合クラシックで使われるので、ポピュラー音楽で目にする事は稀だと思います。
スタッカート記号で約半分
音符の上下に付く小さな黒点はスタッカート記号です。スタッカート記号の付く音符は約半分の長さに刻んで演奏するので、4分音符のスタッカートなら8分音符を目安に弾きます。①をスタッカート記号ナシにしたのが②ですが、①の方が見た目もスッキリしているでしょう。
テヌート記号は伸ばす
音符に付く短い横棒はテヌート記号で、その音を目いっぱい伸ばすという意味を持ちます。上記2小節なら8分音符に、スタッカートとテヌートが交互にあるので、全く長さの違う8分音符になります。
メトロノーム記号はテンポ
メトロノーム記号は曲のテンポを表すもので、数字が大きい程テンポが速くなります。上記の場合だと「4分音符=120」とあり、これは4分音符が1分間に約120回なるテンポという意味です。音符は4分音符に限らず、2分音符や8分音符の場合もあります。
BPM(ビート・パー・ミニッツ)
BPMというのもメトロノーム記号の一種で、BPM=120というように表されます。
フェルマータ記号の意味
最後の音符にあるのがフェルマータ記号で、これには意味が複数あります。音を十分に伸ばす、この音符で終わり、リズムを一時停止する等ですが、その時々で合わせておけば良いでしょう。フェルマータ記号もポピュラー音楽では、そう見られるものではありません。
省略記号
小節内を繰り返す
上記2小節の斜線は拍単位の省略記号を表しています。直前で弾いたフレーズを繰り返すので、1小節目なら前の2拍を、2小節目なら1拍目を最後まで続けます。
前の小節を繰り返す
①の2小節目にあるのが小節単位の省略記号で、1小節のフレーズを2小節目でも弾きます。②の場合だと1・2小節目のフレーズを、3・4小節でも弾くといった具合です。同じように、前の4小節や8小節を繰り返す、小節単位の省略記号もあります。
長休符は長い休み
2小節目にあるのが長休符という、記された数字の小節分だけ演奏を休む記号です。上記の長休符だと10小節分を休んだ後に、3小節目のフレーズへと入っていきます。
Simileは同じように
Simileは前と同じように演奏するという意味があり、1小節目の2拍目からもスタッカートで8分音符を弾いていく、という事になります。もちろん、Simileはスタッカート記号に限らず、他の音楽記号の時にも使用されます。
- 演奏記号は他にもたくさんある。
- 省略記号も他にたくさんある。
- 演奏記号も省略記号も使用するものが限られる。