ベースラインはコードの構成音ではない音、つまりはコードトーン以外の音を使っても問題なく、その音のことを経過音(けいかおん)と言ったりします。コードトーンが主役の音なら、経過音は脇役と言える音になるでしょう。
経過音の使い方

経過音はパッシングノート
上記の9小節は簡単なメロディで、コード進行も記されています。最終的には経過音を利用したベースラインを、この9小節に付けてやりますが、経過音の使い方にも少し、コツや考え方があるので、説明していきたいと思います。因みに、経過音はパッシングノートとも言われます。

コードトーンの特徴
先ずはコード「CM7」の2小節を、コードトーンだけで作ったベースラインです。コードトーンはコードの構成音なので、ベースラインは安定しますが、それだけに限定してベースラインを作ると、窮屈さを感じることもあります。

経過音の特徴
次も同じコード「CM7」の2小節ですが、経過音を加えたベースラインで、●と●が経過音に当たる音です。経過音はコードトーン同士を繋ぐ、橋渡し的な役割をしてくれ、ベースラインに流れを作ります。しかし、経過音はコードの構成音ではないので、目立つ使い方をし過ぎると、おかしくなるので気をつけましょう。

経過音とスケール
先ほどの2小節もそうでしたが、コード「CM7」の経過音なら、●と●で色分けしており、これはスケール・音階に関係があります。複数の音が集まり作られるコードは、スケールの音を集合させ作られます。コード「CM7」なら、Cメジャースケールの「C・E・G・B」で作られますが、それら以外のCメジャースケール「D・F・A」のフレットを●でスケールイン、Cメジャースケールに含まないフレットを●でスケールアウト、というように説明しています。そして、正確な経過音はスケールアウトしている音に限る、という音楽理論もあります。

経過音の考え方
しかし、スケールインの●でも、スケールアウトの●でも、どちらも同じ経過音として考えても、先ずは問題ないと思います。スケールについても難しく考えず、コードトーン以外のフレットが経過音のフレット、と思っておいて良いでしょう。経過音はコードトーンの合間に、少し使う程度が基本なので、そう大きな変化が出ることは少ないと思います。
経過音にも拘りを持つ
上記のベースラインで「この経過音には違和感がある」という音も出てくるはずです。そんなふうに感じた経過音は、別の経過音に変更するか、無理に経過音にしなくても良いでしょう。主役のコードトーンとは違い、経過音は脇役になる音で、聴いている人に違いは分からないと思います。しかし、そんな経過音にさえも拘りを持った方が、必ず良いベースラインになると思います。