ネックの曲がり方には種類があり、ギター系統で共通した呼び方があります。また、ネックが曲がっているかを、自分でも確認できるようにもしておきましょう。簡単なネックの曲がり方なら、自分で直せる場合もあるので、その方法も確認しておきましょう。
順反り・逆反り・ねじれ・波打ち
ネックの順反りは乾燥
指板側を正面とすると、くの字に曲がっている、上記のような矢印の曲がり方を、順反り(じゅんぞり)と言いいます。一般的に順反りは、空気が乾燥していると起こりやすい現象なので、日本の気候だと秋口から、ネックの順反りが起こりやすいかもしれません。
ネックの逆反りは湿気
同じく指板側を正面とすると、順反りとは反対方向に曲がるのが、逆反り(ぎゃくぞり)です。順反りが乾燥で起こりやすいのとは反対に、逆反りは湿気が多いと起こりやすい現象とされています。
ネックは1年で2回の変化
冬には順反りに雨期には逆反りにと、ネックは1年に2回の変化が考えられます。僕の所有しているエレキベースも、大体がそのようなネックの動きをしますが、全部がそうではありません。ネックが1年に2回に変化するというのは、目安として考えておけば良いでしょう。
ネックのねじれと波打ち
ネックの曲がり方は、順反りと逆反りの2種類だけではありません。4弦側は真っ直ぐなのに、1弦側から見ると曲がって見えるのが、ネックのねじれと言われます。また順反りと逆反りが混ざっている、ネックの波打ちというのもあります。簡単な順反りと逆反りなら、自分で調整することも可能ですが、ねじれや波打ちになってくると調整は難しいので、修理のプロであるリペアマンに頼んだ方が賢明かと思います。
あえて逆反りにする
ネックは順反りも逆反りもしていないのが理想かと思いますが、あえて少しだけ逆反りにしておくベーシストもいて、それは弦高の高さを低くする為だそうです。
ネックの曲がりを見る方法
ネックが曲がっていないかは、自分の目で確かめることが出来ます。何も難しいことではなく、ポイントが分かれば簡単です。ヘッド側から見る方法と、ブリッジ側から見る方法がありますが、先ずはヘッド側から見る方法を、例に挙げて説明していきます。
ネックの曲がりを見る手順
- 最初にチューニングを済ませる
- エレキベースを真っ直ぐに立てる
- 4弦側のナットから最終フレットまでを見る
- 1弦側のナットから最終フレットまでを見る
フレットが真っ直ぐに並んでいるか
エレキベースを真っ直ぐに立てる時は、力を入れて持ってしまうと、ネックに影響が出るかもしれないので、ヘッド部分を軽く摘む程度にしましょう。4弦側からも1弦側からも見て、フレットが真っ直ぐに並んで見えたら、ネックは曲がっていない証拠です。よく分からなかったら、上から真っ直ぐ見るばかりではなく、少し角度をつけて見るのも良いです。4弦側は真っ直ぐなのに、1弦側から見ると曲がっているなどという場合は、ネックがねじれていたりする可能性もあります。
ブリッジ側からも同じ見方
ブリッジ側からもネックの曲がりを確認できますが、要領はヘッド側から見る時と同じです。ブリッジ側から見る場合ですが、エレキベースを両手で持ち上げ、地面と平行にして見る人もいますが、僕はエレキベースを机に置いてしまい、ビリヤードの玉を突く時のような目線で、ネックの曲がり方を見ます。危ないので僕はやりませんが、ヘッド側を地面にしてエレキベースを立てる場合は、ヘッドを地面に付けてしまうのは、やはりネックに影響が出るので、少し浮かしてやると良いでしょう。
トラスロッドについて
先ほども少し触れましたが、簡単なネックの順反りや逆反りなら、自分で直すことも可能です。ネックの中にはトラスロッドという鉄状の棒が入っており、これを回すことでネックの調節が行えます。トラスロッドを何処から回すかというのは、ネックの根元側かヘッド側の2種類でしょう。
トラスロッドの回し口がボディ側
トラスロッドの回し口がボディ側にある場合、一旦ボディからネックを外さないと調整できませんが、写真のようにトラスロッドを見える状態にし、回しやすいよう加工する人もいれば、最初からそういう状態で売られていることもあります。
トラスロッドの回し口がヘッド側
ヘッド側にあるトラスロッドは、写真でも赤い丸印が示すように、2弦と3弦の間あたりに、トラスロッドの回し口が見えるでしょう。トラスロッドを回すには、ドライバーや六角レンチが必要ですが、エレキベースを購入時に付属しているはずです。失くしたのなら100円ショップでも購入可能です。
ネックが順反りの時
- 最初に弦を緩めておく
- 順反りの場合はトラスロッドを時計回りに回す
トラスロッドを締めるコツ
トラスロッドを時計回りに回す時は、主に締めると言います。トラスロッドを締める時は、一度に大きく回さないで、少しずつ回してください。角度で言うと5度くらいが無難です。またトラスロッドには限界があるので、どんなに回しても、それ以上回らないこともあります。無理に回すと、最悪の場合ネックにヒビが入ってしまいます。
ネックが逆反りの時
- 最初に弦を緩めておく
- 逆反りの場合はトラスロッドを反時計回りに回す
トラスロッドを緩めるコツ
トラスロッドを反時計回りに回す時は、主に緩めると言います。トラスロッドを緩める時も、同じく少しずつ回しましょう。丁度のところまで緩められたら、最後に少しだけ時計回りに回して、トラスロッドを締めておきます。そうしておかないと、緩みっぱなしになってしまいます。順反りの場合もそうですが、少し回したらチューニングを行い、ネックの反りを見る、というのを繰り返しましょう。
- ネックの曲がり方の基本は順反りと逆反り。
- ネックのねじれと浪打ちは自分では直しにくい。
- トラスロッドを回す時は慎重に。