ペンタトニックスケールはコードの種類によっては、より幅広く使えたり、合わなかったりする場合もあります。これはアメリカにある、バークリーという音楽学校で教えられている、音楽理論の1つみたいですが、日本でも教えている音楽学校があり、やはり僕も音楽学校時代に習い、特にはベースソロで活用しています。どんな風にペンタトニックの幅を広げられるのか、コードの種類に分けて見ていきましょう。

メジャーセブンスコード

メジャーセブンスコードで使えるペンタトニック表

メジャーセブンスコードで使えるペンタトニック

ルート音の項目に「根・長2」とありますが、これは根音と長2度のことです。メジャーセブンスコードでは、これら根音か長2度をルートとする、2種類のメジャーペンタトニックが使える、ということを表しています。どういうことか、先ずは根音から考えていきましょう。

C音をルートとするCメジャーペンタとA音をルートとするAマイナーペンタの指板図

CメジャーペンタとAマイナーペンタ

コード「CM7」の根音は、構成音に含まれているC音で、そのC音をルートとするメジャーペンタが使える、ということです。そして、Cメジャーペンタが使えるということは、それの平行調に当たる、Aマイナーペンタも使えるという分けです。

D音をルートとするDメジャーペンタとB音をルートとするBマイナーペンタの指板図

DメジャーペンタとBマイナーペンタ

次は長2度ですが、コード「CM7」から見れば、長2度は構成音に含まれないD音で、そのD音をルートとする、Dメジャーペンタが使えることになります。Dメジャーペンタが使えるなら、それの平行調に当たる、Bマイナーペンタも使えることになります。

CM7とDメジャーペンタの構成音を表す指板図

Dメジャーペンタの使える理由

コード「CM7」でCメジャーペンタが使える、というのは分かるとして、なぜDメジャーペンタが使えるのか、疑問に思えます。これは構成音が似ていたり、色の強い音になるからだと思います。DメジャーペンタのE音とB音は「CM7」に含まれ、DメジャーペンタのD音とA音は、Cメジャーペンタに含まれます。DメジャーペンタのF#音ですが、これは「CM7」からすると、ブルーノートという色の強い音です。

メジャーペンタよりマイナーペンタ?

このように「CM7」ならDメジャーペンタと、平行調のBマイナーペンタが使えます。構成音が同じなので、どちらを使っても同じですが、僕はBマイナーペンタで考え弾く方が多いです。これは個人的にマイナーペンタの方が使い易く、どのペンタトニックスケールを使う時も、マイナーペンタを意識しています。恐らくですが、メジャーペンタ派よりマイナーペンタ派、という人の方が多い気がします。

ドミナントセブンスコード

ドミナントセブンスコードで使えるペンタトニック表

ドミナントセブンスコードで使えるペンタトニック

ルート音の項目には「根・短3・短7」とあり、ドミナントセブンスコードでは、根音と短3度と短7度をルートとする、3種類のメジャーペンタトニックが使える、というのを表しています。根音をルートとする時は、メジャーセブンスコードで説明したので、ここでは短3度と短7度の場合を見ていきましょう。

Eフラット音をルートとするEフラットメジャーペンタとC音をルートとするCマイナーペンタの指板図

EメジャーペンタとCマイナーペンタ

コード「C7」の短3度は、構成音に含まれないE音です。そのE音をルートとする、Eメジャーペンタがコード「C7」で使え、それの平行調に当たる、Cマイナーペンタも使えるということです。

Bフラット音をルートとするEフラットメジャーペンタとG音をルートとするGマイナーペンタの指板図

BメジャーペンタとGマイナーペンタ

次は短7度ですが、コード「C7」の短7度に当たる音は、構成音に含まれているB音です。なので、コード「C7」ではBメジャーペンタと、それの平行調に当たる、Gマイナーペンタが使えることになります。

マイナーセブンスコード

マイナーセブンスコードで使えるペンタトニック表

マイナーセブンスコードで使えるペンタトニック

ルート音には「短3・短7・完4」とあり、完4は完全4度を表しています。マイナーセブンスコードでは、短3度と短7度と完全4度をルートとする、3種類のメジャーペンタトニックが使えます。短3度と短7度は前の、ドミナントセブンスコードで説明したので、ここでは完全4度の場合を考えていきます。

F音をルートとするFメジャーペンタとD音をルートとするDマイナーペンタの指板図

FメジャーペンタとDマイナーペンタ

コード「Cm7」から完全4度を考えると、それはF音となります。そのF音をルートとする、Fメジャーペンタがコード「Cm7」で使え、それと構成音が同じの、Dマイナーペンタも使える、ということにもなります。

ルートが同じマイナーコード上のメジャーペンタ

先ほどの表にも書いてあった通り「Cm7」で使えるメジャーペンタは、短3度と短7度と完全4度をルートとする3種類で、根音がルートになる、つまりはCメジャーペンタはありません。これが使えないというのは適切ではないですが、あまり合わない組み合わせになるかと思います。ペンタトニックスケールの使い方でも説明しましたが、ルートが同じメジャーコード上のマイナーペンタはよく使われますが、ルートが同じマイナーコード上のメジャーペンタは、あまり使われない傾向にあるでしょう。

ハーフディミニッシュセブンスコード

ハーフディミニッシュセブンスコードで使えるペンタトニック表

ハーフディミニッシュセブンスコードで使えるペンタトニック

ルート音の項目には「減5」とあり、これは減5度を表しています。ハーフディミニッシュセブンスコードで使えるペンタトニックは、この1つしかありません。それでは、これまでと同じように見ていきましょう。

Gフラット音をルートとするGフラットメジャーペンタとEフラット音をルートとするEフラットマイナーペンタの指板図

GメジャーペンタとEマイナーペンタ

コード「Cm7(♭5)」の減5度になる音は、構成音にも含まれているGです。その音をルートとするGメジャーペンタと、それの平行調に当たるEマイナーペンタが、コード「Cm7(♭5)」で使えるという分けです。

ディミニッシュセブンスコード

ディミニッシュセブンスコードで使えるペンタトニック表

ディミニッシュセブンスコードで使えるペンタトニック

ルート音の項目に「なし」とあるように、ディミニッシュセブンスコードでは、使えるペンタトニックがないというのが、一応の決まりです。しかし、これも絶対的なことではないので、前後のコードの流れなどを考え、それで押し切れそうなペンタトニックならば、それも有りだと思います。音楽理論的に合った音を選ぶことも大事ですが、もっと大事なのは、使いたい音を使いたい箇所で使う、ことにあると思います。

ペンタトニックスケール表まとめ

コードの種類によるペンタトニックスケール使い分け表まとめ

ペンタトニックを使い分ける基本コード

コードの種類を5つ例に挙げ、使えるペンタトニックを見てきました。テンションノートを加えたコードなど、本当はもう少し種類はあるのですが、僕が基本として考えるのは、これら5種類のコードです。細かく説明してしまうと、非常に長くなるので省きますが、基本的な5種類のコードだと思ってください。

ベースソロで使う場合

このコードの種類によって使い分けるペンタトニックですが、これは主にジャズを基本にしたものです。ポップスなどでベースソロを弾く場合にも使えますが、合ってないなと感じられることもあると思います。そういう場合は、音を長く伸ばしてみたり、速弾きにしてみたり、弾き方を大きく変えてみるのも良いです。特にベースソロの弾き始めは、長めの音を使ってやると「ベースソロの始まり」という、雰囲気が出せるかと思います。

ペンタトニック依存症

ペンタトニックの使い方を覚えてしまうと、特にはアドリブソロで重宝します。非常に便利なスケールですが、ペンタトニックに頼りすぎてしまうと、今度はペンタトニックから抜け出せなくなることもあります。それが駄目な事とは思いませんが、どんな曲でも似たようなベースソロ、になってしまうのも確かです。そう思い始めた時は、丸きりペンタトニックの音だけを使うのではなく、ペンタトニックを中心に作るベースソロという風に、アプローチの仕方を少しずつ変えていく、と良いかもしれません。