スラップ奏法に欠かすことの出来ないテクニックがゴーストノートで、ゴーストノートが無いとスラップ奏法が成立しないと言っても過言ではないと思います。また、スラップ奏法が上手く出来ない人は、あるパーツを取り付けてみると、スラップ奏法のコツを掴めるかもしれません。

ゴーストノート

ゴーストノートだけ

ゴーストノートで演奏も出来る

ゴーストノートの出し方ですが、弦をフレットに押さえ込まずに、サムピングやプラッキングをします。そうすると動画のような、短く乾いた音がします。指弾きやピック弾きに比べると、スラップのゴーストノートは音も大き目なので、ゴーストノートだけを使いパーカッション風に聴かせる事も出来ます。

ゴーストノートを利用した演奏

ゴーストノートでグルーヴを作る

今度はスラップ奏法にゴーストノートを加えてやった動画です。ただスラップのフレーズを弾くより、所々にゴーストノートを入れてやると、よりスラップらしい雰囲気が出せます。また、気持ち良いリズムのことをグルーヴと言いますが、ゴーストノートはグルーヴを作る1つの要因だと思います。このフレーズをタブ譜面で詳しく見ていきましょう。

ゴーストノートの練習小節(上記動画)
ゴーストノートの練習小節

プラッキングの準備

譜面中の「×」がゴーストノートを表します。色つきのゴーストノートですが、これは弾き方にポイントがあります。ゴーストノートは音を鳴らすサムピングと同様に、親指が弦をアタックするのは一瞬ですが、色つきのゴーストノートは親指を3弦に押し当てる状態を作ります。それとほぼ同時に、次のプラッキングの記号の為の人差し指を、2弦に潜り込ませてやりましょう。そうすると、プラッキングの記号する準備が出来るはずです。

スラップ奏法はセーハの押弦が効果的

人差し指はセーハで押弦していきましょう。1・2小節目の3弦3フレットと、2小節目の2弦3フレットは、人差し指のセーハで押弦するので、人差し指の頭は最後まで4弦3フレットのままです。上記の小節はセーハ使わなくても弾けますが、スラップ奏法ではセーハの押弦が特に効果的です。セーハ・バレーコードについての詳しくは、セーハやバレーコードというフィンガリングで説明しています。

ピックアップフェンス

言うまでもなく、スラップ奏法は指弾きやピック弾きに比べると、まともな音を出すのさえ苦労します。しかし、ピックアップフェンスというパーツを取り付ければ、スラップ奏法のサムピングがし易くなる、と言われることも多いです。

ピックアップフェンス(PUF)
ピックアップフェンス(PUF)の画像

ピックアップフェンスは鉄製

フロントピックアップを覆うよう取り付けてあるのがピックアップフェンスで、ピックアップガードピックアップカバー等とも呼ばれています。色や形にはもう少しバリエーションがありますが、素材が鉄というのは共通しているかと思います。以下ではピックアップフェンスを、略してPUFと表します。

サムピングの瞬間
サムピングの瞬間の画像

PUFとサムピング

画像は4弦をサムピングしている瞬間ですが、親指の付け根から手首にかけてを、PUFにぶつけてサムピングしています。PUFに手の平をぶつけると同時に、サムピングするといった感じです。こうすることにより、自分とって都合の良いサムピングのポイントが分かるのです。

PUFとマーカス・ミラー

PUFを取り付けたスラップ奏法を流行らせたのは、マーカス・ミラーという世界的に有名なベーシストです。僕も最初はスラップが全く出来ませんでしたが、PUFを取り付けたところ、スラップの上達具合が急激に伸びました。無駄な力をPUFが消してくれるのか、特にサムピングの音がしっかりしたものになりました。恐らく世界中に、僕と同じような体験をしたベーシストが数多いるはずです。

PUFのデメリット

しかし、スラップ奏法にとってPUFはメリットだけではなく、デメリットも挙げられます。PUFのデメリットは人によって数が違うでしょうが、ここでは僕が感じたデメリットを3つ挙げます。

  • ピックアップに親指を置けない

    フロントピックアップの上に親指を置いた、ツーフィンガー奏法をメインにしている人は、当然それが出来なくなります。そういった場合は、ピックアップフェンスの上に親指を置いて弾くことになるので、距離感に少し違和感を覚えます。しかし、これは意外と直ぐに慣れてしまうものです。

  • サムダウン&サムアップには邪魔

    PUFが活躍するのは主に普通のサムピングの場合で、サムダウン&サムアップの時には邪魔に感じるかもしれません。なので、サムダウン&サムアップも使う人にはデメリットです。しかし、これも慣れれば問題なく、細いタイプのPUFもあるので、大きな問題にはならないはずです。

  • PUFの無いエレキベース

    これが僕の感じる1番の問題で、PUFが装着されたエレキベースでのスラップに慣れてしまうと、PUFの無いエレキベースになった時に、スラップが思うように弾けなくなってしまいます。楽器屋さんでの試奏(しそう)なども、スラップが思うように試せないのは痛いところです。

PUFを試す価値はある

僕は3つ目のデメリットが大きかったので、結局はPUFを外してしまいました。PUFを外してから1ヶ月程は心許なかったですが、スラップ奏法の感覚が全く無くなる分けでもなく、結果的にはPUFを取り付けて正解だとも思えました。なので、スラップ奏法に悩む人は、PUFを試す価値はあると思います。

お勧めピックアップフェンス

種類が豊富というわけではありませんが、PUFにも色や形などが幾つか見られます。ここでは僕が実際に使用しているPUFを、2つだけ紹介しておきます。

  1. 【国内正規品】ATELIER Z アトリエZ ベース用ピックアップフェンス ZPF-3500 Goldの画像

    【国内正規品】ATELIER Z アトリエZ ベース用ピックアップフェンス ZPF-3500 Gold

    価格:
    5,049円(価格は変動します)
    内容:
    ジャズベースタイプ向きPUF
    見た目 4.5
    機能性 4.5
    コスパ 3.5

    見た目も機能性も抜群のPUF

    先ず見栄えの良さが感じられ、どのようなエレキベースに取り付けても豪華さが増すでしょう。形状は細くてスリムなので、サムダウン&サムアップをする場合も、ほとんど邪魔になりません。唯一の問題は値段ですが、他のブランド製PUFと比べて見ても、さほど高いPUFではないと思います。

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  2. Yibuy 47x128mm クロム メタル ステンレススチール ジャズベースピックアップカバーの画像

    Yibuy 47x128mm クロム メタル ステンレススチール ジャズベースピックアップカバー

    価格:
    750円(価格は変動します)
    内容:
    ジャズベースタイプ向きPUF
    見た目 1.5
    機能性 3.5
    コスパ 4.0

    見た目以外は純製品と同じPUF

    実物の見た目には少し安っぽさが感じられ、高価なエレキベースに取り付けると色褪せてしまいます。しかし、それさえ我慢できるのであれば、フェンダー純製品のPUFと比べても変わらないと思います。値段も手頃なので、PUFをお試し感覚で使用してみたい人には最適でしょう。

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記事終了
このページのまとめ
  • ゴーストノートはスラップ奏法に欠かせない存在。
  • PUFを装着するとサムピングがし易くなる人が多い。
  • PUFにはベーシストによりデメリットも考えられる。