音楽をしていればジャズという言葉を、耳にする機会は多いかと思います。しかし、ジャズを始めるに至っては、何から手をつければいいのか分からない人も多いです。このページではジャズに関する基礎的な知識を、簡単にまとめておいたので、そこから始めていくことにしましょう。
ジャズの起源とジャズバンドの編成
ジャズは19世紀の終わりから、20世紀の始め頃に、アメリカはニューオーリンズという街で、生まれた音楽とされています。黒人の音楽である、ブルースやラグタイムというジャンルと、白人の音楽が融合されているようです。ジャズバンドの編成(演奏者の人数)は、次のような呼び方をされます。
- デュオ(2人)
- トリオ(3人)
- カルテット(4人)
- クインテット(5人)
- ビッグバンド(10人前後)
ジャズ演奏の形態
トリオ演奏だと「ピアノ・ベース・ドラム」が基本かと思います。そこにサックスなどが加わると、4人になりカルテット、更にトランペットなどが加わると、5人になりクインテットと呼びます。はっきりとした人数は決まってないようですが、10人あたりからはビッグバンドと言ったりもされます。こぢんまりとした店でなら、デュオによる静かな演奏も聴けるでしょう。もちろん、ピアノやギターのソロ演奏もあります。
ジャズ1曲の基本的な流れ
決められたメロディーのこと、またはヴォーカルが唄う歌詞のことを「テーマ」と言ったりします。長いテーマなら1回だけ弾き、短めのテーマなら2回繰り返されることが多いかと思います。テーマを演奏し終えれば、ジャズの華であるアドリブで、ソロ演奏を各自が弾きます。テーマが12小節なら、アドリブも同じコード進行で12小節演奏し、12小節を何週するかは、アドリブ演奏者が自由に決める場合が多いでしょう。アドリブ演奏者が終わりの合図を出すと、今度は別のアドリブ演奏者がソロをとります。全員のアドリブソロが終わると、最後に再びテーマを弾いて終わり、というのがよくあるジャズの流れです。
インプロヴァイゼーションは即興演奏
アドリブ演奏のことをインプロヴァイゼーションとも言い、日本語では即興演奏とも言われます。どういう感じに弾こうと本人の自由ですが、コード進行やスケールに基づいた、弾き方をするのが一般的でしょう。ピアノ・サックス・ベース・ドラムの4人編成の場合、ピアノやサックスのようなメロディー楽器だと、即興演奏は大抵はあることですが、ベースとドラムは即興演奏がない時もよくあります。音楽の即興やアドリブは「その場で考えたことを直ぐに弾く」ということですが、ライブの場数を何度も踏み、経験が豊富なら、本当の意味の即興演奏は可能ですが、最初は家で繰り返し練習したものを、リハーサルや本番でそのまま即興演奏のように弾く、というのが普通でしょう。
コントラバスとウッドベース
本格的にジャズを演奏するベーシストは、エレキベースではなくコントラバスを使用します。下記の画像でも見られるのがコントラバスですが、コントラバスはジャズ専用のベースということはなく、クラシックなどでもよく見られると思います。
ウッドベースは和製英語
日本ではコントラバスのことをウッドベースと呼ぶことも多いです。しかし、ウッドベースは和製英語なので、ウッドベースと言っても海外では通じません。日本でもウッドベースという言い方をすると、ベテラン奏者などからは、苦い顔をされることもあります。コントラバスやウッドベースは他にも、下記のような呼び方をするので、目を通しておきましょう。
- ダブルベース
- アコースティックベース
- ストリングスベース
- アップライトベース
- ベースフィドル
- 弦バス
コントラバスの大きさと重さ
コントラバスの大きさにはバラつきが見られますが、全長は180センチほどで、重さも10キロ以上はあり、平均的に見ても大きな楽器です。ジャズベーシストを目指すなら、コントラバスは必須ですが、エレキベースでも十分にジャズは演奏できます。エレキベースでジャズを始め、ジャズの世界に浸ってみたいと感じたなら、コントラバスの購入を考えるといいでしょう。エレキベースとコントラバスでは、大きくフィンガリングが違ってくるので、エレキベースをある程度弾ける人も苦戦は必至なので、全く別の弦楽器だと思っておいた方がいいです。
ジャズはウォーキングベース
そのコントラバスでジャズベーシストがする、主な仕事といえばウォーキングベースです。ウォーキングベースは4分音符を中心に組み立てられるベースラインで、ウォーキングラインなどとも言われ、基本はコードから作られることが多いです。慣れてしまえばコードを見ながらにして、ウォーキングベースもスラスラと弾くことも出来ますが、それまでが大変に難しく、挫折してしまう人も多いです。ウォーキングベースの作り方ですが、この後のページでも説明しているので参考にしてください。
偉大なるジャズメン
もちろん、ジャズの世界にも有名なプレイヤーがたくさんいます。名前を挙げれば切がないので、必ず目にするジャズメンを、何人か選んでみました。名前のリンクはYouTubeに繋がっているので、彼らの曲が聴けるかと思います。
マイルス・デイヴィス(トランペット)
ジャズ界の帝王と言われており、この人を抜きにジャズは語れないでしょう。
ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
彼のアドリブ奏法に影響を与えられたミュージシャンは、ジャズメンだけに留まりません。
オスカー・ピーターソン(ピアノ)
彼の演奏で先ず耳が傾くのは卓越したテクニックですが、一番の聴き所はバラードにあると思っています。
ポール・チェンバース(ベース)
彼の作り出すウォーキングラインは、ジャズベーシストに必ずと言っていいほど手本にされます。
ウェス・モンゴメリー(ギター)
オクターブ奏法を確立したギタリストで、音を聴いても彼のギターだと直ぐに分かります。
マックス・ローチ(ドラム)
幼い頃にピアノを習っていた為か「ドラムで色んな表現が出来る」と評されたジャズドラマーです。
ジャズの種類
ジャズと言っても、種類やスタイルは多く複雑です。最も古いニューオーリンズジャズ(ディキシーランドジャズ)、ビッグバンド編成が主なスウィングジャズ、少人数編成で即興演奏に重きを置いたビバップ、コード進行より音階が中心のモードジャズ、コードも音階もリズムさえ関係ないフリージャズ、ジャズにロック・R&B・ラテンを融合させたフュージョン、などがあります。それらは比較的に、よく目にするジャズの種類でしょう。僕も全ては把握していないので、ウィキペディアの主なスタイル/ジャンルを参考にしてください。