コード進行には4度進行(よんどしんこう)というものがあり、簡潔には心地の良いコード進行で、ジャズに限らず頻繁に見られる、コード進行の一つです。この4度進行を先ずはベース指板で考え、ウォーキングベースの作り方についても、考えてみましょう。
完全4度進行
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同弦上のRとP4のフレット
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異弦上のRとP4のフレット
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3弦3フレットのCと2弦3フレットのF
完全4度の音程
❶の3弦3フレットを
とすると、そこから半音5つ先の、3弦8フレットが
です。そして、弾き易くしたのが❷で、音名に変えたのが❸です。このCからFのような音程が、完全4度と覚えてください。
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異弦上の上と下のP4
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同弦上の上と下のP4
上と下の完全4度
❹は2弦3フレットの
の、オクターブ下である、4弦1フレットの
も表しています。3弦3フレットを
から見て、2弦3フレットが上の
で、4弦1フレットが下の
と、いう言い方も出来ます。同弦上に表すと❺のようになり、同じ
ですが、半音数は異なるので、少しややこしく思えます。
完全5度下行
もっと音楽的には、上の完全4度を完全4度上行、下の完全4度を完全5度下行、と言ったりします。これまた複雑ですが、完全5度下行も完全4度進行、と思っておけば良いです。
増4度進行
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同弦上のRとP4のフレット
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異弦上のRとP4のフレット
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4弦1フレットのFと3弦1フレットのB♭
FからB♭も完全4度進行
今度は❻の4弦1フレットを
とすると、半音5つ先の4弦6フレットが
です。弾き易くしたのが❼で、音名にしたのが❽です。4弦1フレットのFから、3弦1フレットのB♭も、先程と同じく完全4度進行です。
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4弦1フレットのFと3弦2フレットのB
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同弦上のFとB
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Rと#4のフレット
増4度進行は半音増える
次は❾の4弦1フレットのFから、3弦2フレットのBまでを考えてみます。これを同弦上にすると、❿のように、半音数が6つになります。これを増4度進行と言い、完全4度より半音1つだけ、増えているのが分かります。ここでは増4度を⓫のように、
と表しています。
完全も増も4度進行
少し強引に完全4度進行と、増4度進行を説明しましたが、4度進行は両者のどちらかである、と考えてください。そして、どちらの場合も単に4度進行、と説明される場合が多いです。
4度進行と4度圏表
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メジャーコードの完全4度進行
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メジャーコードの完全4度進行と増4度進行
メジャーコードの4度進行
❶はメジャーコードのCから始まる、完全4度だけのコード進行です。❷は2~3小節目に、増4度進行が入っていますが、どちらもそれなりに、聞こえるかと思います。
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メジャーコードの完全4度進行と増4度進行
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色んなコードの完全4度進行と増4度進行
ルートの音名で4度進行
❷のメジャーコードだけの4度進行から、四和音以上の色んなコード進行に、アレンジしてみたのが❸です。このように、コードの種類が変わっても4度進行で、ルートの音名で判断していきましょう。
4度圏表は必要?
上記のような円を4度圏表(よどけんひょう)と言い、時計回りに見ていくと、完全4度進行しています。4度圏表の使い方は色々ですが、主にはコード進行を考えるのに、活躍するかと思います。しかし、ベースを弾くだけなら、ベース指板で考えれば、事足りるでしょう。
5度圏表はクラシック
ポピュラー音楽で4度圏表が多いのに対し、クラシックでは5度圏表を使う事が多いです。5度圏表も同じく右回りに見ていくと、完全5度上行(完全4度下行)していきます。
4度進行の練習
半音で進行する定番ライン
ジャズのスタンダード「枯葉」のコード進行で、4度進行のウォーキングラインを、考えてみましょう。4小節目までは私も頻繁に使う、次のコードのルートを目指し、半音で進行するラインです。4度進行では重宝するラインなので、一つのネタとして覚えておきましょう。
同じウォーキングラインはNG
枯葉の9~16小節目は、1~8小節目と同じコード進行です。少しなら問題ありませんが、8小節全て同じウォーキングラインにする、というのは避けましょう。私は1拍目に3度を多めに使い、違うラインにしてみました。他にも1拍目に5度や7度、同じ音を2拍ずつ使ったりと、違うラインは考えられます。
コードを見て演奏する
コードやメロディなどが記された、簡単な譜面をリードシートや、コード譜と言います。上記は同じく枯葉のコード進行なので、音源に合わせて、計16小節のウォーキングラインを、考えてみてください。最初から難しいラインにし過ぎず、先ずはシンプルに作る事を、心がけると良いでしょう。
- 4度進行は良い感じのコード進行。
- 完全4度進行も増4度進行も4度進行。
- 4度進行にも定番のラインがある。