コードトーンに繋げる音の事を、アプローチノートと言います。過去のページでも、ホールトーンアプローチと、クロマチックアプローチを説明していますが、それらの復習と応用、そして、ジャズではあまり使われない、アプローチノートについても、知っておくと良いでしょう。

コードトーンの略記号

アプローチノート(復習)

強拍に鳴る2分音符のベースライン
強拍に鳴る2分音符のベースライン4小節

アプローチノートで間を埋める

上記は13拍目の、強拍に鳴っているベースラインです。これらの間に入る24拍目の、弱拍がアプローチノートで、コードトーンに繋げていく音、と思えば良いでしょう。上記の音は残したまま、アプローチノートを使った、ウォーキングラインを見ていきましょう。

ホールトーンノートを置いたウォーキングライン
ホールトーンノートを置いたウォーキングライン4小節

ホールトーンアプローチ

はコードトーンに全音で繋げており、これがホールトーン(ノート)アプローチです。ザックリ言うとですが、ホールトーンアプローチは、スケールインし易いので、安定したラインになりますが、その分だけウォーキングベースっぽさが、多少軽減するような気もします。

クロマチックノートを置いたウォーキングライン
クロマチックノートを置いたウォーキングライン4小節

クロマチックアプローチ

はコードトーンに半音で繋げており、これがクロマチック(ノート)アプローチです。これも大まかにですが、クロマチックアプローチは、スケールアウトし易いので、外れた音になりますが、これがウォーキングベースっぽさを、出してくれるので、積極的に使っていきたい音です。

半音で繋げる方が強い

全音で繋げるよりも、半音で繋げるの方が、ラインワークは強まります。私が師事したジャズの先生も、なるべくで繋いでいく事を、推奨されていました。

ホールトーンノートとクロマチックノートのウォーキングライン
ホールトーンノートとクロマチックノートのウォーキングライン4小節

ウォーキングラインも好み

はジャズっぽくもなり、ラインワークも強まりますが、そればかりでは、濃くなり過ぎるような気もします。私が好きなのは、は多めに使いますが、も使ったウォーキングラインです。ウォーキングベースにも、ポップス等のベースラインと同様、好みが出てくるかと思います。

アプローチノート(応用)

ダブルクロマチックアプローチのウォーキングライン
ダブルクロマチックアプローチのウォーキングライン4小節

半音進行が2回続く

各小節の3拍目から、次のコードのルートへは、半音進行が2回続いています。これをダブルクロマチックアプローチ(DCA)と言い、繋がる感じが高まります。ルートばかりではなく、357度へ、繋ぐのもありです。また、2拍目から半音進行した、トリプルクロマチックアプローチ、もよく見られます。

  • インディレクトレゾリューションアプローチ❶
    インディレクトレゾリューションアプローチ➊の2小節
  • インディレクトレゾリューションアプローチ❷
    インディレクトレゾリューションアプローチ➋の2小節

半音でサンドウィッチ

先ず目標のコードトーンを、2小節目のF7のルート、2弦3フレットにします。それを半音同士で、挟むかのように置いてあるのが、1小節目の2弦の2フレットと、4フレットの音です。これをインディレクトレゾリューションアプローチ(IRA)と言い、初心者にも使い易いアプローチです。

  • スケールワイズアプローチ❸
    スケールワイズアプローチ➌の2小節
  • スケールワイズアプローチ❹
    スケールワイズアプローチ➍の2小節

半音と全音で挟む

同じく目標のコードトーンを、2小節目のF7のルート、2弦3フレットにしましょう。それを半音と全音、または逆の、全音と半音で挟んでいるのが、1小節目の34拍目です。これをスケールワイズアプローチ(SWA)と言い、先程のIRAより少し、難しいかもしれません。

スケールインでないと駄目?

正確なSWAですが、挟む側の二音は上記のように、スケールインの音に限ります。しかし、スケールアウトになっても、気にし過ぎる事はありません。

ドミナントアプローチ

  • ドミナントアプローチ❶
    ドミナントアプローチ➊の2小節
  • ドミナントアプローチ❷
    スケールワイズアプローチ➋の2小節

ドミナントは5度の音で繋ぐ

2小節目のDm7の5度は完全5度で、それを1小節目の4拍目に置き、Dm7のルートへ繋ぐ、というのがドミナントアプローチです。上記もがドミナントノートで、目標の音に対して、高い音から繋げる❶と、低い音から繋げる❷があります。

  • ドミナントアプローチ❸
    ドミナントアプローチ➌の2小節
  • ドミナントアプローチ❹
    スケールワイズアプローチ➍の2小節

コードに合わせた5度を使う

❸のBØの5度は減5度、❹のG7+の5度は増5度なので、それに合わせた音を、1小節目の4拍目に置き、ドミナントアプローチとしています。

ジャズベーシストは使わない?

このドミナントアプローチですが、ジャズ専門のベーシストは、ほぼ使わなないようです。私のジャズの先生も、繋がり方が曖昧なので、使わないと仰ってました。

ウォーキングベースの練習

ホールトーン&クロマチックアプローチのウォーキングライン
ホールトーン&クロマチックアプローチのウォーキングライン8小節

全てクロマチックにしても良い

ホールトーンアプローチと、クロマチックアプローチを、満遍なく使ったウォーキングラインです。これが気に入らない人も居ると思うので、そういう場合は、クロマチックを増やしたり、或いは全てをクロマチックにして、違いを比べてみてください。

ダブルクロマチック&インディレクトレゾリューション&スケールワイズアプローチのウォーキングライン
ダブルクロマチック&インディレクトレゾリューション&スケールワイズアプローチのウォーキングライン8小節

アプローチの名前

1~4小節目ではDCA、56小節目でIRA、67小節目でSWA、を使っています。アプローチの名前がややこしいですが、使用方法さえ理解しておけば、先ずは良いでしょう。因みに、私はこれらのアプローチの名前を、後にネットで知り、名前があった事に少し驚きました。

ドミナントアプローチのウォーキングライン
ドミナントアプローチのウォーキングライン8小節

ドミナントアプローチは際立つ?

コードの変わり目で、ドミナントアプローチを使ってみました。私はホールトーンアプローチと、クロマチックアプローチに、慣れてしまっているので、違和感がありますが、ドミナントアプローチの連続も、決して悪い事ではないでしょう。上手く使えば、際立つラインになるかもしれません。

記事終了
このページのまとめ
  • クロマチックアプローチが最も多い。
  • ホールトーンアプローチも使える。
  • ドミナントアプローチはあまり見ない。