アルペジオというのは、コードを構成する音の、コードトーンと同じ意味です。ただ、同じ音を使うのではなく、一音ずつ違う音を弾き、ウォーキングラインを作るのが、ここでいうアルペジオです。コードのポジションが頭に入っていれば、気軽に使えるウォーキングベースになるでしょう。
・コードトーンの略記号アルペジオの使い方

コード間の音程差
各コードのルートから3度・5度・7度と、順番に並べたウォーキングラインは、分かり易くて良いのですが、ベタ過ぎるので、特にジャズ専門のベーシストほど、敬遠すると思います。また、コード間の音程差が広いので、不自然に聞こえるかもしれません。これを少しアレンジしてみます。

アルペジオをバラす
アルペジオをバラしてやり、コードのつなぎ目の音程を、半音か全音にしてみました。半音の▲をクロマチックアプローチ、●の全音をホールトーンアプローチと言い、ウォーキングラインの繋がりを、強いものにする効果があります。
ウォーキングベースには不向き?
アルペジオだけで固めるので、ベースラインは安定します。これも間違いではないのですが、こればかりでは型に嵌り過ぎて、ウォーキングベースっぽさが出ない、という事もよく言われます。では、どうすればウォーキングベースらしくなるのかを、Cメジャーキーで見てきましょう。
スケールアウト

ウォーキングベースっぽくなる音
先程の4小節もそうでしたが、Cメジャーキーのダイアトニックコードは、Cメジャースケールの音が集まり作られます。言い換えると、♭も#も付かない音です。逆に、♭や#が付く音を取り入れてやると、ウォーキングベースっぽくなります。

スケールアウトを置く
私がジャズを習い始めて間もない頃、音楽学校の先生に教わったのが、4拍目だけ次のコードのルートに、半音か全音で繋がる、スケールアウトの音を置く、というウォーキングラインです。これだけでも、かなりウォーキングベースっぽくなる、と言われたのを覚えています。
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スケールインしている2弦3フレット -
スケールアウトしている2弦4フレット
スケールインでも良い
❶の2弦3フレットは、C△7には含まれない音ですが、スケールインしています。❷は半音上がった、2弦4フレットになっており、スケールアウトしているので、ウォーキングベースっぽい音使いですが、スケールインの❶も、決して悪くありません。好みに合わせて、選ぶと良いでしょう。
全音と半音の連結力
全音で繋げる●より、半音で繋げる▲の方が、連結力が高いとされますが、これも時々で変えてやると良いでしょう。
ウォーキングベースの練習

アルペジオも使えるライン
前述したように、アルペジオのみのウォーキングラインは、ジャズっぽさが出し辛いです。なので、ジャズに慣れた人ほど、使いたがらない傾向にありますが、全く使わないわけではありません。これも一つのネタとして、覚えておくと良いでしょう。

半音の繋げ方で変わる
先程と同じコード進行で、今度は4拍目にスケールアウト、している音を置いてみました。そして、その音は次のコードのルートへ、全て半音の▲で繋がっています。また、半音を上から繋げるか、下から繋げるかで、印象も大きく変わると思います。

- アルペジオはコードの構成音。
- アルペジオのラインはジャズっぽさを出し辛い。
- スケールアウトも意識すると良い。