長調はメジャーキーでメジャースケール、短調はマイナーキーでマイナースケールの事です。Key(キー)という音楽用語には複数の意味がありますが、ここでは音の高さを意味し、日本式には調と直せるでしょう。そのキーを決定付ける、調号(ちょうごう)について見ていきましょう。

調号(フラット編)

Bメジャースケールの調号
B♭メジャースケールの調号TAB譜面

♭の調号で表すスケール

過去のページでは何のスケールなのか、音符1つずつに♭を付け表していましたが、スケールは調号を使うのが普通です。上記はBメジャースケールで、B音とE音の音符には♭がありませんが、予め調号でB音とE音の位置に♭が記されてあるので、自動的にB音とE音になります。

調号はオクターブ関係なし

調号はどれだけオクターブが違っていても、その音符には♭が付きます。音符の♭を無くしたければというような、ナチュラル記号を表記します。

♭の調号
♭の調号を表した6小節

調号の♭が付く順番

調号で♭は「B-E-A-D-G-C」という順番に付いていきます。調号は1種類でメジャーとマイナーがあるのは、平行調の関係にあるからです。また、7つの♭が付く「Cメジャー/Aマイナー」もありますが、他のキーで表せられるので省略しています。

♭の調号を覚える方法

♭が幾つ付けば何のメジャーキーやマイナーキーになるのかを、暗記して覚えてしまうのも良いですが、次のようにベース指板を使い覚える方法もあります。

♭の数と音名を記した指板①
♭の数と音名を記した指板図①

指板で♭のメジャーキーを探す

例えば調号で♭が3つあるとしたら、左の指板に記す数字の3を見ます。この2弦1フレットは右の指板にも記すように、音名のEになるので、Eメジャースケールという事になります。この方法は左の指板の数字を覚えないといけませんが、これは次のように変更も可能です。

♭の数と音名を記した指板②
♭の数と音名を記した指板図②

♭の数と音名を合わせる

今度は♭の調号の数を、左の指板のような配列にしてみました。これでも♭の調号の数と指板の音名から、何のメジャースケールになるか分かります。指板の音名と数字を合わせてやれば、自分の覚えやすい配列にしてやる事も可能です。

♭のマイナーキーを探すには?

これは♭の調号のメジャーキーを探す方法で、平行短調のマイナーキーではありません。しかし、マイナーキーはメジャーキーが分かれば、次のように指板から簡単に判ります。

A音の半音3つ下はF音
A♭音の半音3つ下はF音の指板図

半音3つ下の音名

先ず♭の調号が数字の4つなら、4弦4フレットや3弦11フレットから、Aメジャースケールというのが分かります。そのフレットから半音3つ下はF音で、平行短調はFマイナースケールという事になるのです。メジャーキーの音名から半音3つ下の音名が、いつもマイナーキーの平行短調に主音になります。

E音の半音3つ下はC音
E♭の半音3つ下はC音の指板図

異弦同音を利用する

調号の♭が数字の3つの場合、2弦1フレットからだとEメジャースケールは分かりますが、そこから半音3つ下はありません。そういう時は2弦1フレットの異弦同音である、3弦6フレットから半音3つ下を見てやり、マイナーキーはCマイナースケールという具合に考えます。

調号(シャープ編)

Aメジャースケールの調号
Aメジャースケールの調号のTAB譜面

#の調号で表すスケール

やはり#の調号もあり、それの数によって何のスケールになるかを表しています。上記はAメジャースケールで、C・F・G音の音符には#が付いていませんが、調号により#が付く事になります。もちろん#の調号の場合も、どれだけオクターブが違っても、その音符には#が付きます。

調号は混合しない

ごく稀に特殊なケースはありますが、調号は♭と#が混ざることはありません。

#の調号
♯の調号を表した6小節

調号の#が付く順番

調号で#は「F-C-G-D-A-E」という順番に付いていきます。やはり#の調号も1種類につき、平行調によるメジャーとマイナーの両方を意味しています。また、#が7つ付く「C#メジャー/A#マイナー」は、他のキーで表せられるので省略します。

#の調号も指板で覚える

#の調号が幾つあれば何のメジャーキーやマイナーキーになるのかも、ベース指板で探す方法があります。やり方は♭の調号の時と全く同じです。

#の数と音名を記した指板①
♯の数と音名を記した指板図①

指板で#のメジャーキーを探す

調号で#が5つあるとしたら、左の指板にある数字の5を見ます。その4弦7フレットの音名は右の指板にも記すように、B音なのでBメジャースケールという事になります。これも指板の数字の配列を覚えないといけませんが、やはりアレンジも可能です。

#の数と音名を記した指板②
♯の数と音名を記した指板図②

#の数と音名を合わせる

今度は#の調号の数を、左の指板のような配列にしてみました。これでも#の調号の数と音名を合わせれば、何のメジャースケールになるか分かります。先ず#のメジャーキーの主音を指板の音名で探し、そこに数字を当てはめていけば、自分の覚えやすい配列を作れます。

#のマイナーキーを探すには?

これは#のメジャーキーを探す方法でした。今度は#のマイナーキーを探す方法ですが、これも♭の調号の場合と全く同じです。

D音の半音3つ下はB音
D音の半音3つ下はB音の指板図

Dメジャーのマイナーキーは?

先ず調号の#が数字の2つある時のメジャーキーは、3弦5フレットからDメジャースケールというのが分かります。そこから半音3つ下の音名がマイナーキーの主音になるので、Bマイナースケールという事になります。これも♭のマイナーキーの求め方と、全く同じなのが分かると思います。

B音の半音3つ下はG#
B音の半音3つ下はG♯音の指板図

Bメジャーのマイナーキーは?

#の調号が数字の5つある時は3弦2フレットや4弦7フレットから、Bメジャースケールと分かります。3弦2フレットから半音3つ下のフレットは、上記の指板にも示すように4弦4フレットになるので、マイナーキーはG#マイナースケールという事になります。

逆にも考えられる

マイナーキーの主音が分かっている時は、そのフレットから半音3つ上の音名が、メジャーキーの主音となります。

記事終了
このページのまとめ
  • 調号は何のスケールかを表す。
  • 調号1種類につきメジャーキーとマイナーキーを持つ。
  • 調号はベース指板でも考えられる。