このカテゴリで説明してきた、運指押弦・フィンガリングを意識して、スケール練習という基礎練習をやっていきましょう。過去のページ、ハ長調でスケール練習でも説明したように「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音を使った、Cメジャースケールでの運指押弦・フィンガリングの練習です。

ポジション移動でスケール練習

1枚目の譜面は3弦3フレットから弾き始め、2オクターブ上の1弦19フレットまでを上がって行くスケール練習です。2枚目の譜面は逆に、1弦17フレットから下がって行くという、どちらも良く見られるスケール練習です。開放弦とポジション移動が、ポイントになってくるかと思います。

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ポジション移動のスケール練習①
ポジション移動のスケール練習譜面1

高音域へとポジション移動

3小節目からは矢印が示すように、ポジション移動を多様しています。4小節目の前半は手の大きさによって、ポジション移動を必要としない場合もあります。また、1弦9フレットを小指ではなく、薬指で押弦する方が運指し易いという人もいます。そこら辺の運指押弦は、臨機応変に対応していきましょう。

フレット幅が狭くなる運指

5小節目からポジション移動が減っていますが、これはフレット幅が狭くなっていく為です。このあたりのフレットなら手の小さい人でも、指を伸ばしての押弦が可能だと思います。しかし、何フレット目からポジション移動を減らすのかは、個人差があるので自由で構いません。

オッターバ記号

5小節目から見られる「8va」はオッターバという音楽記号で、記されている音符よりオクターブ高く(書き方によっては低く)弾きなさい、という意味です。主に譜面を見易くする為なので、タブ譜面を見る際には関係ありません。

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ポジション移動のスケール練習②
ポジション移動のスケール練習譜面2

低音域へとポジション移動

1枚目の譜面とは逆で、今度は1弦17フレットから3弦3フレットを目指します。先ほども説明したように、フレット幅に合わせて、ポジション移動の回数も違っています。4小節目までは小指のポジション移動が中心、となる運指になっているので、小指を目で追っていくと分かりやすいかもしれません。

開放弦の残響音に注意

5小節目からは開放弦が出てきます。ミュートというフィンガリングでも説明しましたが、開放弦の音を鳴らしっ放しにして、音がダブってしまわないように、しっかりと音を止めてやりましょう。1枚目の譜面も含め開放弦を5フレット目に直し、4フレット4フィンガーで弾いてみるのも良いでしょう。

3フレット4フィンガーでスケール練習

1枚目の譜面は0~3フレットまでの、ハーフポジションと言われる音域を、2枚目の譜面は3~5フレットまでの音域を、いずれも3フレット4フィンガーで弾いていきましょう。1本の指で複数の弦を操るセーハ(バレーコード)と、薬指のフィンガリングがポイントになります。

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3フレット4フィンガーのスケール練習①
3フレット4フィンガーのスケール練習譜面1

ハーフポジションで弾く

最後まで人差し指が1フレット目に来る、ハーフポジションの譜面なのでポジション移動は必要ありません。小指で押弦する時には、薬指や中指でも一緒に弦を押さえてやると、小指の負担も減るでしょう。慣れてきたらフレットを見ず、目は譜面を追いながら、手の感覚だけで押弦してやりましょう。

小指を滑らせる運指

最後の8小節目に4弦3フレットの小指から、3弦3フレットへと小指の運指が続きます。少し戸惑う運指かもしれませんが、4弦3フレットを押さえていた小指を、ツルリと3弦3フレットへ滑らせるようにして運指してやります。しかし、ハーフポジションを崩して、人差し指と中指で押弦しても問題ありません。

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3フレット4フィンガーのスケール練習②
3フレット4フィンガーのスケール練習譜面2

セーハの運指押弦

2・3小節目で見られる、異なる弦で同じフレットの押弦が続く場合は、別々の指を使うよりセーハの運指を利用すると効率的です。3弦3フレットを人差し指の指先、2弦3フレットを人差し指の指先より下で押弦してやります。3・4小節目で見られる、薬指の押弦にも慣れておきましょう。

予めセーハで押弦しておく

6・7小節目もセーハの運指が見られます。これを少し早めにのあるポイントで、セーハで押弦してしまうのも良いでしょう。予めセーハで押弦しておけば、その分フィンガリングもスムースに行くかと思います。このようにセーハの押弦が必要なくても、どんどんセーハを使ってもOKです。

1拍3連符でスケール練習

1拍3連符(いっぱくさんれんぷ)という、4分音符を三等分したリズムがあり、スケール練習でもよく使われます。いきなり、1拍連符を弾けと言われても無茶な話かと思いますが、聴き取り易く覚え易いリズムなので、音源を聴いてもらえればリズムは直ぐにつかめると思います。

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1拍3連符のスケール練習①
1拍3連符のスケール練習譜面1

1拍3連符を歌ってみる

1拍3連符は分かり易いリズムですが、それでも覚え辛いという人もいます。そういう場合は、1拍3連符を「ダダダ」と口に出して歌ってみると良いです。また、1拍3連符は3音なので「ウサギ」「ニボシ」「サクラ」など、3文字の単語を当てはめて歌ってみる、という練習方法もあります。

ポジション移動に焦らず

3小節目からは矢印が示すように、2度のポジション移動があります。1回目のポジション移動ですが、ポジション移動を焦って、音が極端に短くならないようにしましょう。その後に1弦2フレットを人差し指でのセーハなど、難しい運指が続くので、先ずは押弦する指の確認から始めると良いでしょう。

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1拍3連符のスケール練習②
1拍3連符のスケール練習譜面2

4弦8フレットから弾く

3弦3フレットの異弦同音である、4弦8フレットから弾き始めています。最後までポジション移動はなく、人差し指で7フレット目、中指で8フレット目、薬指で9フレット目、小指で10フレット目を押弦します。フレット幅が狭くなっているので、手の小さい人も4フレット4フィンガーで挑戦してみましょう。

薬指と小指の運指

5小節目からは薬指と小指による押弦が多く、特に薬指と小指が連続するフィンガリングは、初心者なら必ず苦戦するはずです。この2本の指を思うように動かすことが出来れば、フィンガリングのレベルは確実に上がるので、積極的に使っていきましょう。

拍子記号は4分の2拍子

簡単な説明ですが「1・2・3・4」で、1小節の終わる進行を4分の4拍子と言います。上記の譜面では拍子記号が4分の2拍子なので「1・2」という、4分の4拍子の半分で1小節が終わります。4分の2拍子は4分の4拍子と似たようなリズムなので、それほど難しくはないと思います。

記事終了
このページのまとめ
  • ポジション移動の回数は人によって異なる。
  • セーハ(バレーコード)には早くから慣れておく。
  • 1拍3連符はスケール練習でもよく使われるリズム。